無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

確定診断までの経緯その① 首の腫れ(と「地域医療連携」について少し思う事)

最初の異変に気が付いたのは、確か2017年1月30日(月)の事だったと思います。

 

僕はいつも朝、シャワーを浴びてから出勤しているのですが、その日は首の左側を洗った際、少し痛みを感じました。

「少し」と書いた通り、そんなに強い痛みではなく、風邪をひいた時などに身体の節々に痛みが出るのと似た感じです。

実際、その時も「あれ?風邪でもひいたかな?」と思いつつ、のんびりとシャワーを浴びていました。

 

シャワーから出て、念の為に鏡で見てみると、首の左側が全体的に少し腫れているのが分かりました。

手で触ってみたところ、腫れは柔らかく、しこりのような物は確認出来ません。

一応、体温を測ってみましたが、平熱です。

 

「何か菌でも入ったかな。気合い入れて行こう」

そう思いながら、家を出て職場に向かいました。

 

首に痛みがあったのはその日だけで、翌日以降はシャワーを浴びる際にも特に痛みは感じなかった為、首に痛みがあった事自体をすぐに忘れました。

 

ところが、です。

数日後の2月2日(木)の夜、仕事から帰って来て自宅の洗面所で何気なく鏡を見ると、首の左側が明らかに腫れている事が分かりました。

僕は痩せていて、首も細い方なので、正面から見ると、首の両サイドは少しえぐれたようなカーブを描いています。

 

)( ←こんな感じ。

 

しかし、その時は、首の左側が全体的に腫れていた為に、まるで首が曲がっているかのように見えました。

 

( ( ←鏡に映った状態なので、こんな感じ。

 

さすがにぎょっとして「これはちょっとマズいかも知れない」と思いました。

ただ、触ってみても特に痛みは無く、熱もありません。

 

「一体、何が起こっているんだ?」

少しだけ意識が遠のき、身体中から嫌な汗が滲み出るのを感じました。

 

その時の僕は、恐らく難しそうな顔をしていたのだと思います。

リビングに戻ると、僕の様子が変な事に妻が気付きました。

 

「とと(と妻子からは呼ばれています)、どうかしたの?具合でも・・・って言うか、ちょっと待って!首!!どうしたの?それ!?」

 

実は僕は、冬場は毎日タートルネックのシャツを着ていますので、普段は首が隠れてしまっています。

が、その日はたまたま洗濯が間に合っておらず、タートルを着ていなかった為に首の腫れがはっきりと分かる状態でした。

ただ、毎日ちゃんと見ていた訳ではありませんので、これが徐々に大きく腫れて来たのか、今日になって急に大きく腫れたのかは分かりません。

 

「いや・・・自分でも今、気が付いて・・・腫れてるよね?」

 

「すっごい腫れてる!何!?首が曲がってるみたいに見える!痛い?熱とかある?」

 

「いや、それが痛くも無けりゃ熱も無くて・・・」

 

「とりあえず病院行こう!救急行こう!」

 

自宅の近くには大きな病院(今後「S病院」とします)があり、そこの救急窓口へ行こうと妻は言います。

しかし「首の左側が腫れている」という事以外に特段の症状は無く、救急に行くのはちょっと適切ではない気がしました。

 

「うーん・・・救急って感じの症状じゃないから、とりあえず明日、会社の近くのクリニックに行ってみるよ」

 

昨今は、いわゆる「地域医療連携」とか「病診連携」などと呼ばれている診療体制が推奨されています。

病気やケガの際は、まずは近所のクリニック等で診てもらい、必要があれば紹介状を書いてもらって急性期病院等に行くという流れです。

 

僕としてはその意義も十分に理解しているつもりなので、きちんと段階を踏む事にした訳なのですが、今回の件に関しては、そういう「お行儀の良い行動」が結果として非常に大きなロスを生む事になってしまいました。

 

普段(の病気等)と著しく異なる症状がある場合は、最初から大きな病院に行く方が良いと思います。

紹介状が無いと5〜6千円くらいの費用を上乗せして請求される事にはなりますが、クリニックで診察を受けるのにも、紹介状を書いてもらうのにも費用はかかる訳ですし、何より時間のロスが命にかかわる場合もある訳ですからね、本当に。