無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

抗がん剤治療その⑤ AVD療法1クール目前半

2017年8月25日(金)晴れ。

ここ数日、暑い日が続いています。

 

予定では、今日から化学療法再開です。

前回の記事で触れた通り、ホジキンリンパ腫の化学療法として標準的な「ABVD療法」から「B(ブレオマイシン)」を除いた「ABV療法」という、変則的な化学療法となります。

 

受付表を見ると、今日は血液検査はありません。

2日前に血液検査を行なっている為ですかね。

 

採血が無いので、そのまま血液内科へ向かいます。

最初に看護師さんとの問診があり、体重、体温、血圧、酸素濃度等を測定。

その後、しばらく待った後に診察室へ。

 

まず、気管支鏡生検の退院時に撮影した胸部X線写真を見ながら、肺の炎症の場所を確認します。

主担当医によれば、今後、これをベースとして、肺の状態を追跡するとの事です。

 

また、先日の血液検査の結果を聞きます。

好中球のレベルは、抗がん剤投与終了後、約1ヶ月で正常値に戻っていました。

その他の数値も基本的に正常の範囲内との事で、今日からの化学療法再開に問題は無いとの判断です。

 

尚、以前発見していてた

「ABVD療法でダカルバジンの投与方法を変更した事によって血管痛を軽減した」

とされる論文を見せ、意見を聞いてみました。

 

主担当医は

「効果のほどは分かりませんが、とりあえず、どちらの方法でも出来るように指示しておきましょう」

との事。

 

その後、セカンドオピニオン用の資料一式と紹介状を受け取り、診察室を出ます。

次はオンコロジーセンターへ。

 

オンコロジーセンターでは、血管痛対策について、かなり入念に相談されます。

 

まず、ルートを取る場所に関しては、少なくとも

「血管が変色するほど焼けてしまった部分にはダカルバジンを通過させない」

という事になり、より上流側から滴下する事になりました。

 

腕としては、左腕を選択。

 

溶解液は、これまでの生理食塩液から5%ブドウ糖液に変更です。

ただ、液量は従来の250mlから500mlに増えてしまっていますね。

これは何故なんでしょうか。

 

僕が調べた論文では、溶解液は500mlから100mlに減量されています。

論文では、溶解液を減量する事でダカルバジンの光分解暴露量を抑えたと考察されている為、溶解液を増やすというのは不可解です。

 

まぁ、100mlにしろとは言いませんが、少なくとも、従来と同じ液量にして欲しいんですが・・・。

 

オンコロジーセンターの先生にも、一応、その旨を伝えてみます。

が、今回は、既に調合の準備に入っているので、変更は難しいとの事。

残念ですが、仕方ありません。

 

オンコロジーセンターの先生によれば、論文を持ち込んで来る患者は見た事が無いらしく「もしかして医療関係者なんですか?」と聞かれます。

 

「医療関係者では無いんですが、医療機器メーカーや製薬会社と仕事をしているので、日頃から色々と勉強をしているんです」

 

と伝えつつ、具体的な仕事の実例等を紹介すると、非常に納得して頂き、話も真剣に聞いてもらえました。

 

尚、今回のダカルバジンの滴下に関しては、液量が従来の倍に増えている為、滴下速度を倍にして、時間を従来と同じにするという方法となりました。

 

で、結果なんですが、滴下中に多少の違和感は感じたものの、明確な血管痛は出ませんでしたね。

ただ、これは滴下方法の変更が奏功したのか、ラインを取った位置を変えた事が奏功したのかは分かりません。

 

これまで血管痛が出たのは、全て、同じ血管の場所で2回目に滴下した場合だった事を考えると、位置の変更という要素が大きい気がします。

つまり、2クール目の前半で、はっきりとした結果が分かるという事ですね。

 

抗がん剤治療終了後、胸部X線撮影を行ない、本日の予定は全て終了です。

 

さて、血液検査の値、特に好中球の値が正常値だった事を聞いたので「これはチャンス」と思い、夕食は近所のお寿司屋さんへ行く事にしました。

 

6月中旬から、基本的に生ものは自重していて、お寿司は多分、4ヶ月ぶり位ですかね。

久しぶりに食べるお寿司は、しみじみ美味しいです。

 

また、板前さんが、娘に「超ミニチュア寿司」を握ってくれたりして、とても楽しい食事でした。

これでまた、しばらく刺身はおあずけですね。

 

と、ここまでは良かったんですが、お店を出る頃になって、身体に異変が。

 

何故か急激に体調が悪くなります。

あまりお酒を飲んだ訳でもないのに、とにかく体が強烈にダルいです。

 

家までは、歩いて10分ほどの距離なんですが、正直「これ、歩いて帰れるのか?」と疑うレベル。

妻がタクシーを拾おうとしますが、さすがにそれは止めてもらい、何とか歩いて帰り着きました。

 

帰宅後、すぐに就寝しますが、3時間後に目が覚めます。

体のダルさは消えていますね・・・体温や脈拍も正常ですし、どうやら体調は戻ったようですね。

 

一体、何が原因だったのか分かりませんが、本当に焦りました。

やはり、抗がん剤の影響なんでしょうか。

 

とりあえず、これまで通り、生ものは止めておきましょう。