無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

放射線治療12回目(と言うか、ほとんど禁煙、そして甘い物に対する課税について)

2017年12月14日(木)晴れ。

 

今日の技師の方は男性2人と女性1人です。

放射線照射には特に変わった事はありませんでした。

 

唐突ですが、僕が最初の抗がん剤治療の為に入院したのは2017年の6月14日です。

つまり、今日で悪性リンパ腫の治療開始から半年が経過した事になる訳ですが、それと同時に、タバコをやめて半年になるという事でもあります。

 

bonyoh.hatenablog.com

 

いや、しかし、禁煙する前には想像もつきませんでしたが、タバコの無い生活がすっかり当たり前になりましたね・・・。

 

世間では、禁煙すると「ご飯が美味しくなる」とか「太る」とか「体調が良くなる」とか言われますが、僕の場合は抗がん剤治療の影響の方が大きい為か、特にそういう実感はありません。

ただ、タバコを吸う必要が無くなったのは、何と言うか、色々な意味でストレスが少なくなったかも知れませんね。

 

誤解を恐れずに言うならば、禁煙をした事で「失った物」もあります。

何を「失った」のかは、タバコを習慣的に吸った事のある方には恐らくすぐに分かると思いますが、それは非常に貴重な物だと今でも思っています。

 

ただ、これについて言及すると、非喫煙者の方々に全力で否定されると思いますし、そこを争ったりするつもりは毛頭ありません。

当然の事ながら、禁煙をした事で「得た物」も沢山ある訳ですから、結局のところ「無い物ねだり」でしかないのだと思います。

 

それにしても、タバコについて驚かされるのは、現在でも、ふとした瞬間に「あぁ、タバコが吸えたら良いのになぁ」と思ったりする事がある事です。

勿論、だからと言って吸う事はありませんが、改めてタバコの影響と言うか、タバコの「脳(記憶)を掴む力」には物凄いものがあるなぁと思いますね。

 

しばらくの間、禁煙に成功した後に

「もうタバコはやめられたのだから、今なら1本くらい吸っても平気だろう」

などと思ってタバコを吸ってみた結果、喫煙者に戻ってしまったという失敗談が多々あるというのも良く分かります。

 

禁煙に関して言えば、自らの肝に銘じている事の一つとして「喫煙に対してヒステリックにならない」というものがあります。

 

経験上、タバコをやめた人間というのは、喫煙者および喫煙という行為そのものに対して、もともと非喫煙者だった人間よりも攻撃的になる傾向が強いと思います。 

人間は、自分が選択した行動を肯定しようとする傾向が強くはありますが、喫煙者に対する禁煙者の攻撃的姿勢は「過激化」するケースも多く、これは絶対に注意しなければなりません。

 

近年のタバコの害に対する社会的認識については言うまでもありませんし、東京五輪に向けての喫煙規制問題やら、加熱式タバコに対する税率の問題やら、タバコに関しては議論が続いています。

が、少なくとも日本においては、タバコが法律で禁止されている訳ではありません。

 

つまりタバコは、現時点において、お酒や甘い物などと同じ「嗜好品」の範疇に入る物なのです。

適法な物に対して不当な圧力をかける事は「弾圧」となりかねません。

 

タバコにまつわる大きな問題の一つに「受動喫煙」というものがありますが、例えば、この論点と「弾圧」の問題を天秤にかけた時、そのどちらが果たして「正義」と呼べるのか、少なくとも僕には分かりません。

 

結局のところ、いかに他者に対して不当に危害を加えないよう気をつけるかという問題でしかないのだと思います。

そういう意味において、喫煙者も非喫煙者も、更に言えば、タバコの問題とは関係なく「他者を尊重してマナーを守る」のを心がける事が重要です。

 

ところで、急に話の矛先が変わって申し訳ありませんが、甘い物が好きな方々も、そろそろ覚悟しておいた方が良いかも知れません。

 

これは僕がタバコを吸っていた時から主張していた事なんですが、タバコや酒のような嗜好品に税金をかけるのであれば、甘い物にも税金をかけるべきだと思っています。

健康に対する影響や、それにまつわる保険財政という点においてもタバコや酒と同等に扱われてしかるべきでしょう。

 

で、ご存知の方も多いと思いますが、WHOの提言もあり、最近「糖分に課税する」という動きが世界的に出て来ました。

フランスやメキシコなんかでは既に課税されていますし、イギリスでも今年の4月から課税が始まるようです。

 

糖分に対する課税は日本でも国会で取り上げられりしていますし、もしかすると、近い将来、甘い物を食べる事を否定的に扱う時代がやって来るのかも知れません。

ただ、本来、嗜好品に対して加算的に税金をかけるというのは、税のあり方として間違っているんじゃないでしょうか。

 

「嗜好品」は、それを嗜む人が笑顔になるような物です。

そういう物に対して「もっともらしい理由をつけて」課税すると言うのは、ちょっと違うんじゃないでしょうか。

税金って、皆が笑顔で暮らして行ける為に存在するべきだと思うんですけどねぇ。