口腔ケアの重要性
2017年6月7日(水)曇り。
主担当医から「治療にあたっては口腔外科を受診しておいて下さい」と言われており、今日はS病院の口腔外科へ。
前回の記事「病期確定までの経緯その③」にも書きましたが、今回の治療では、化学療法と放射線治療が行われる予定です。
化学療法に使用される抗がん剤というのは、基本的に、がん細胞のように代謝が活発な細胞の増殖を抑えるように作用します。
口腔粘膜には代謝が活発な細胞が集まっている為、抗がん剤の使用により、少なからず影響が出ます。
尚、毛母細胞も代謝が活発な細胞の一つで、抗がん剤の副作用として脱毛があるのは、この為ですね。
今回、化学療法の後に放射線治療も行なう予定ですが、口腔粘膜や唾液腺に近い部分に照射する事になる為、これも口腔内トラブルを引き起こす可能性があり、きちんとケアしておく必要がありそうです。
実は、歯と歯茎に関しては、20年ほど前、会社設立当初の頃に、非常に痛い目に遭いました。
会社設立時の前後は、いつ寝てるのかも分からないような状況で、24時間体制で仕事をしており、休みなど、あろう筈もありません。
当然、身体に対するケアなど何も行なっていなかったのですが、そんなある日、口の中に我慢出来ない程の強烈な痛みを覚え、仕方無く歯科医院へ行きました。
診察の結果、口腔内全体に出血を伴う歯肉炎が見られ、う蝕(虫歯)も多数。
以前に治療した、銀歯を被せてあった歯も、軒並みダメージを受けていました。
その際、徹底して治療を行ったのですが、これは色々な意味で割と大変で、本当に懲りましたね。
それ以来、とにかく、これ以上、口腔環境が悪化しないようにケアをしてきました。
とは言え、そんなに大それた事をしている訳ではなく、基本的には
「寝る前に、音波歯ブラシ、タフトブラシ、歯間ブラシの三本を使って、丁寧に磨く」
というだけです。
朝食を食べた時には食後に歯を磨きますが、食べなければ磨かず。
昼食後にも磨きません。
あとは、定期的なケアとして、半年に一度、歯科医院でクリーニングを行ないます。
もちろん、特殊なクリーニングなどではなく、保険適用の範囲で大丈夫です。
たったこれだけで20年間も無事な訳ですから、これは本当におすすめの方法です。
ただし、僕の場合、間食をする事が皆無に等しいので、もしかすると、それが大きいのかも知れません。
さて、S病院の口腔外科に行くと、まずは歯茎の状態を見る為に、歯周ポケットの深さを金属の棒で測られます。
これ、チクチクして、地味に痛くて不愉快なイメージがあったんですが、今回は意外と大丈夫でした。
これまで何回か測られた時は、歯茎が腫れている状態だった為に痛かっただけなのかも知れません。
診察の結果、歯周ポケットが深い所はあったものの、全体としては、大きな問題は指摘さませんでした。
ただ、口の中の形のせいか、両頬の内側に「噛み癖」があるらしく、食事の際に口の中を噛まないように気を付けるように言われます。
また、治療中は、歯間ブラシの使用は避けた方が良いと言われました。
さらに、熱い物は、きっちりと冷ましてから食べるように指導されます。
とにかく「口の中に傷が付くような事は極力避けるように」という事ですね。
それから、前述の通り、僕は例年、6月と12月に定期的な歯のクリーニングをしているのですが、入院前にやっておいた方が良いかどうか聞くと「勿論やっておいた方が良い」との事。
クリーニングはS病院でも出来るとの事ですが、予約には「少し時間が掛かるかも知れない」との事だったので、とりあえず、いつもクリーニングをお願いしている歯科医院にスケジュールを確認してみる事にします。
オフィスに着き、いつもの歯科医院へ電話。
すぐに予約が取れた為、クリーニングは、こちらの歯科医院でやる事にしました。
2日後の金曜日、いつもの歯科医院へ。
これまでは、レモン味の塩(?)みたいな物を噴射された後、色んな器具でクリーニングが行われましたが、今回は塩の噴射は無いまま、クリーニングは終了しました。
歯科衛生士の方に「何故、塩を使わなかったのか」と聞いてみると「非常に状態が良かったので、塩を使う必要が無かった」と言われます。
また
「とても良い状態ですから、この調子で、お口の中をキレイに保って下さいね!」
と、すごく嬉しそうに言われます。
そういう姿勢で話をしてくれる歯科衛生士の方の姿を見ていると、何だか、こちらも嬉しくなりますし、ちゃんと継続してケアしようという気持ちになりますね、本当に。
仕事に対する姿勢、かくあるべし、ですな。