無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

抗がん剤治療の為にS病院へ入院(そして禁煙開始)

2017年6月14日(水)晴れ。

湿度が低く、気持ちの良い天気です。

 

今日から、化学療法の為、2泊3日の入院です。

 

朝9時40分、身支度を整え、タバコに火をつけます。

これが、人生最後のタバコ(になる予定)です。

 

僕は、おおよそ30年間に亘り、1日1箱くらい吸ってましたんで、20×365×30=219,000本のタバコを吸い続けて来た訳ですが、終わる時は、あっけないもんですね。

 

今回の化学療法に使用される抗がん剤の中には「ブレオマイシン」という薬剤が含まれます。

この薬の副作用の中には、いわゆる「肺毒性」があるのですが、薬剤の使用と共に喫煙を続けた場合、肺線維症等の肺疾患の発生を高める可能性が指摘されています。

 

また、放射線治療も予定されている訳ですが、喫煙は放射線治療の効果を低下させてしまうという理屈が存在します。

さらに、喫煙を続けながら頭頸部への放射線照射を行なうと、2次がんの発生確率を含めた予後が有意に悪化するという研究もあります。

 

実は、僕としては、こう言った論文やデータを鵜呑みにしている訳では無く、公平に見て(例えば母数やランダム化比較臨床試験の結果かどうか等の観点から)、割と懐疑的な立場です。

勿論、だからと言って、これらを真っ向から否定している訳ではありません。

あくまで「参考程度に考えている」という事です。

 

それよりも、最近はタバコを吸う事に本当に不自由する事が多く、正直「面倒臭ぇなぁ」と思っていた事が大きいですね。

あまりの面倒臭さから「吸わないで済むんなら、それに越した事は無いよなぁ」とも思っていましたので、これを機に、禁煙する事にした訳です。

まぁ、今回の事は、良いきっかけになったと考えましょう。

 

さて、病院へ着き、各種手続きを終えると、病室へ案内されます。

今回は、生検で入院した時とは別のゾーンですね。

 

ところで、S病院では、入院患者向けに「有線の無線LANアダプター」という少し奇妙な機械を貸してくれます。

その機械と仕事用のノートPCを繋げば、最低限の仕事が出来る状態は作れる訳で、これは非常に助かりますね。

 

病室で荷物を整理した後、PCのセットアップを終え、メールのチェック等を済ませたあたりで検査に呼ばれます。

 

今日の検査は心臓のエコーと心電図です。

 

今回の化学療法に使用される抗がん剤の中に「ドキソルビシン(アドリアマイシン)」という薬剤が含まれるのですが、この薬には、いわゆる「心毒性」がある事がはっきりと分かっています。

よって、治療前に、心臓の状態を、なるべく正確に把握しておく必要があるものと思われます。

 

しかし「心毒性」やら「肺毒性」やら・・・別の記事で改めて書くつもりですが、抗がん剤は身体に負担がかかりますね。

抗がん剤治療を毛嫌いする人達がいるのも理解出来ます。

 

尚、検査自体は特に(目新しい事も含め)何事も無く、スムーズに終了。

正直「これだけの為に、1日入院する必要なんかあるのか?」とも思いますが、判定とかに多少の時間が必要なのかも知れませんね。

 

しかし、以前の記事「確定診断までの経緯その⑭」でも触れましたが、不整脈は問題にならないんでしょうか?

 

bonyoh.hatenablog.com

 

検査終了後、妻と娘が枕を持って会いに来てくれます。

 

これも以前の記事「左手の痺れ」や「確定診断までの経緯その⑮」で書いた状態ですが、徐々にマシにはなっているものの、到底、万全とは言えない状況です。

いや、本当に長引いてますね。

今回の治療が一段楽したら、主担当医と相談の上、適切な診療科を紹介して貰おうと思います。

 

bonyoh.hatenablog.com

 

しかし、生検で入院した時もそうでしたが、娘が非常に不安そうです。

時折、伏し目がちに

 

「ととは、お首のリンパが腫れてるから・・・」

 

と、しょんぼりした様子で話す娘の姿を見ると、本当に申し訳無い気持ちで、胸が締め付けられます。

病気になるのは仕方の無い部分があるとは言え、まだ3歳の子どもに、こんな思いをさせて良い訳がありません。

 

ゴメンね。

ちゃんと治るように頑張るから、もう少し待っててね。

 

明日からの治療を前に、決意を新たにしました。