無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

膵臓の嚢胞について話を聞きに消化器内科へ

2018年8月31日(金)晴れ。

今日はMRCPの結果と今後の方針等についての話を伺う為、専門の診療科である消化器内科へ向かいました。

 

担当医とは初対面ですので、簡単な挨拶を交わした後、まずは先日撮影したMRCPの画像を見ながら僕の病状についての説明を受けます。

 

基本的には先日、血液内科で説明された事とほぼ同じ内容で、僕の病変は腫瘍性嚢胞(恐らく分枝膵管型IPMN)と見て間違い無いだろうとの事です。

この病変は非常にゆっくり、数年から10年以上かけて徐々に症状が進行して行きつつ、最終的にはがん化する事も多いのだとか。

 

リスク因子には色々な物があるようですが、遺伝的な要素も関係しているようで、近親者の中に消化器系のがんになった人間が3人以上いるかどうかというのが1つの目安であるとの事。

僕の場合、父、父方の叔父、父方の祖母が大腸がんであった為、バッチリ当てはまっていますね。

 

また、喫煙との関連性も高いらしいです。

現在は禁煙しているものの、僕の場合は30年ほどの喫煙歴があったので、今現在喫煙しているかどうかに関わらず、リスク因子となるのだとか。

ほぼ毎日飲酒をするのも当然褒められた事ではないらしく、まぁ完全に高リスク群に属しているという事のようです。

 

がん化する割合としては年に2〜3%程度というデータがあるそうですが、担当医によれば「大規模調査のデータでもないので、あまりあてにはならない」のだとか。

また、前提として、この病変は仮にがん化すると治療が非常に難しくなる可能性が高い事をまず理解しておいて欲しいと言われました。

 

この段階からフォローをしていても危険度に変わりは無いそうで、要するに「検査していようがいまいが、がん化すれば終わり」という事です。

かと言って、がん化していない段階で膵臓を切除するのは非常にリスクが高く、医者としては悩ましい所であるようですね。

 

今後は病変のサイズ等を見ながら定期的に検査をして行く事になりますが、最初にこの病変が発見された際は、まずは3ヶ月後の状態の変化を見るとの事。

その結果、変化が大きいようなら細胞診等の精密検査を実施する事になり、変化が無ければ1年に1回程度、MRCP等で経過を見て行く事になるそうです。

よって、次回は11月末に再度MRCPを撮影する事になりました。

 

自分なりに予習はしていたので、まぁ大体の事は分かっていたのですが、基本的にはがん化するのを待ち、がん化すれば対処療法的に手術なり化学療法なり放射線治療なりを行ないはするものの、生存率は非常に低いというのが実態です。

特に有効な予防法がある訳でもなく、あまり希望が持てる感じではありません。

 

少し話が変わるようですが、一昔前とは異なり、最近では著名人の方が「がんに罹患された」というニュースが流れる事が増えて来ました。

医療技術の発展、特にがんに対する治療法の進歩はめざましく、がんが「不治の病」では無くなって来た為なのかも知れません。

 

ただ、がんは難しい症例が多いのも事実で、例えば膵がんに罹患された方の場合「寛解した」というニュースよりも「亡くなった」というニュースの方が圧倒的に多いのではないかと思います。

 

全員とは言いませんが、著名人の方の場合、基本的には健康管理を徹底されていたと思われますので、恐らく膵臓の病変は早い段階で判明していたのではないでしょうか。

にもかかわらず、亡くなられてしまう事が多いという事実が、膵臓の病変の難しさを如実に表しているのだと思います。

 

僕の病変が今度どうなって行くのかは現時点では全く分かりませんが、まぁ、がん化しない事を願うしか無いという事でしょう。

勿論、今現在がん化していたり手遅れの状態だったりする訳ではありませんので、比較的マシな状況ではあるのですが、ただ手をこまねいているしかないというのは、何と言うか、やるせないですね、本当に。