無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

経営者の人間性(そして高級車に乗る人々について)②

前回の記事①では「(主に中小企業の)オーナー社長」について触れました。

 

また

 

【仮説1】高級車に乗っているのは大抵は経営者である

 

 もしくは

 

【仮説2-1】大抵の経営者は高級車に乗っている

且つ

【仮説2-2】社会的倫理観の低い無法者のほとんどは経営者である

 

という2系統の仮説の内、いずれかを証明する必要がある事を書きました。

 

今回の記事②では、まずは「(主に大企業の)雇われ社長」について触れる所から、話を進めて行こうと思います。

 

とは言え、僕は「雇われ社長」に関しては、ほんの数人しか存じ上げません。

その数人のデータを以て断ずるのは少々無理がある事は承知の上で言いますが、個人的な感想として、実は雇われ社長の方が、記事①で触れた「俺(自分)がルール」という考え方の2類型の内

 

A:自分が一番偉いのだから、全ては自分の好きなようにするのが当然だ。

 

と考えている度合が強いように感じます。

 

ただ、大企業の場合、それをある程度は抑制する仕組みが整っており、社長を含めた経営陣の暴走を防いでいる訳です。

 

にもかかわらず暴走したり、不祥事を起こしたりする訳ですから、どれだけ上記「A」のような考え方の度合が強いのか分かりますし、ハッキリ言えば、そもそも仕事をナメてるとしか思えません。

 

まぁ、それも仕方の無い部分もあるとは思います。

 

「雇われ社長」というのは、基本的にはキャリアパスの一環でしかありませんから

「従業員や、その家族の生活を背負っている」

という感覚が、ある筈も無いからですね。

 

ちなみに、その感覚は非常に特殊で、あまり上手くは表現出来ませんが、個人的には

「自分の命を削ぎ落としながら前に進む」ような

「深い闇の底から常に足を掴まれている」ような

どうしようもなく重苦しい感覚です。

 

これに関しては、こういう言い方は身も蓋も無く、大変申し訳無いのですが

「経験した人間でないと理解出来ない」

と思います。

 

全てのオーナー社長がそうだとは言いませんが、この「重苦しさ」がある故に、代償として、前述の「A」の考え方を持つに至る方も多いのではないかという気もします。

 

個人的には「それとこれとは別だろう」とは思いますが、まぁ「気持ちは分からんでもない」という事です。

 

そして、これも勿論、全員がそうだと言うつもりはありませんが、雇われ社長の場合、その「重苦しさ」も無いのに「A」の考え方を持ってしまっている訳です。

 

これは「金と権力を持った猿」みたいなもので、始末に負えません。

 

話を戻しますと「雇われ社長」に見られる傾向は、当然、社長よりも役員、役員よりも管理職と、職権(≒責任)が低くなるに従って強くなります。

これについては、僕としても比較的多くの、且つ精度の高いサンプルを持っており、個人的には確実だと言って差し支えありません。

 

少々、言い方は悪いですが、その選民意識と世の中のナメっぷりは半端ではなく、腹が立ったり、呆れたりするのを通り越して、笑ってしまうレベルです。

 

ここで、少し数字の話。

 

現在、日本における中小企業の数は約380万社。

その内、黒字企業は約33%、125万社です。

 

つまり、高級車に乗っていられる中小企業の社長は、約125万人という事になります。

 

勿論、あえて赤字決算にして高級車に乗っている悪質な社長もいれば、黒字だからと言って高級車に乗っている訳ではない経営者もいると思いますので、この数字は、あくまでも理論値ですね。

 

そして大企業の数は、約1万1千社。

従業員数は約1,400万人です。

 

大企業の管理職クラスの割合に関しては、信頼出来る統計データが少ないのですが、概ね17%程度と考えて良いと思います。

とすると、大企業の管理職クラスの人数は約210万人。

 

黒字の中小企業の社長の倍近い数字ですね。

 

そして、大企業の管理職クラスになると、中小企業の社長なんかより、よほど高い年収を得ていたりします。

 

義務や責任は少なく、年収は高い。

先程も少し述べましたが、僕としては、こういうタイプの人々は、選民意識が高くなるのと(逆)比例して、社会的倫理観が低下し、身勝手な考え方を持つようになる傾向が強いように感じます。

 

さて、高級車に乗っている層というのを「どう定義するか」についても議論はあると思いますが、仮に、年収の高い層が乗っているのだとするのならば

 

【仮説1】高級車に乗っているのは大抵は経営者である

 

という仮説は成り立たないという事になります。

 

少なくとも

 

「高級車に乗っている人間の1/3は黒字の中小企業のオーナー社長であり、2/3は大企業の管理職クラスの人達である」

 

という仮説にしかならないのではないでしょうか。

 

また

【仮説2-1】大抵の経営者は高級車に乗っている

に関してですが

 

上記の通り、理論値としては、高級車に乗っている中小企業のオーナー社長は33%であり、これも成り立ちません。

雇われ社長に関しては定かではありませんが、最大でも1万1千人なので、影響を考慮する必要は無さそうです。

 

では

【仮説2-2】社会的倫理観の低い無法者のほとんどは経営者である

に関しては、どうでしょうか?

 

上記の僕の考察に準拠するならば、社会的倫理観の低さは同程度だと仮定したとしても

 

中小企業の社長380万人

大企業の管理職クラス210万人

 

である事から、仮に双方の最大値と取ったとしても

 

「社会的倫理観の低い無法者の2/3は中小企業のオーナー社長であり、1/3は大企業の管理職クラスの人達である」

 

とするのが妥当だという事になります。

 

ただ正直、赤字経営のオーナー社長が「社会的倫理観の低い無法者」である確率は、かなり低いのではないかと思いますので、実際は 

 

「社会的倫理観の低い無法者の1/3は中小企業のオーナー社長であり、2/3は大企業の管理職クラスの人達である」

 

とするのが妥当なのではないかとは思いますが。

 

勿論、これらの仮説は

 

「高級車に乗っているのは、黒字の中小企業のオーナー社長か、大企業の管理職クラスの人達で占められる」

 

という別の仮説の上にしか成り立ちませんが、これに関しては、あまり無謀な仮説でもないとは思います。

 

③に続きます。