抗がん剤治療その⑤ AVD療法1クール目前半
2017年8月25日(金)晴れ。
ここ数日、暑い日が続いています。
予定では、今日から化学療法再開です。
前回の記事で触れた通り、ホジキンリンパ腫の化学療法として標準的な「ABVD療法」から「B(ブレオマイシン)」を除いた「ABV療法」という、変則的な化学療法となります。
受付表を見ると、今日は血液検査はありません。
2日前に血液検査を行なっている為ですかね。
採血が無いので、そのまま血液内科へ向かいます。
最初に看護師さんとの問診があり、体重、体温、血圧、酸素濃度等を測定。
その後、しばらく待った後に診察室へ。
まず、気管支鏡生検の退院時に撮影した胸部X線写真を見ながら、肺の炎症の場所を確認します。
主担当医によれば、今後、これをベースとして、肺の状態を追跡するとの事です。
また、先日の血液検査の結果を聞きます。
好中球のレベルは、抗がん剤投与終了後、約1ヶ月で正常値に戻っていました。
その他の数値も基本的に正常の範囲内との事で、今日からの化学療法再開に問題は無いとの判断です。
尚、以前発見していてた
「ABVD療法でダカルバジンの投与方法を変更した事によって血管痛を軽減した」
とされる論文を見せ、意見を聞いてみました。
主担当医は
「効果のほどは分かりませんが、とりあえず、どちらの方法でも出来るように指示しておきましょう」
との事。
その後、セカンドオピニオン用の資料一式と紹介状を受け取り、診察室を出ます。
次はオンコロジーセンターへ。
オンコロジーセンターでは、血管痛対策について、かなり入念に相談されます。
まず、ルートを取る場所に関しては、少なくとも
「血管が変色するほど焼けてしまった部分にはダカルバジンを通過させない」
という事になり、より上流側から滴下する事になりました。
腕としては、左腕を選択。
溶解液は、これまでの生理食塩液から5%ブドウ糖液に変更です。
ただ、液量は従来の250mlから500mlに増えてしまっていますね。
これは何故なんでしょうか。
僕が調べた論文では、溶解液は500mlから100mlに減量されています。
論文では、溶解液を減量する事でダカルバジンの光分解暴露量を抑えたと考察されている為、溶解液を増やすというのは不可解です。
まぁ、100mlにしろとは言いませんが、少なくとも、従来と同じ液量にして欲しいんですが・・・。
オンコロジーセンターの先生にも、一応、その旨を伝えてみます。
が、今回は、既に調合の準備に入っているので、変更は難しいとの事。
残念ですが、仕方ありません。
オンコロジーセンターの先生によれば、論文を持ち込んで来る患者は見た事が無いらしく「もしかして医療関係者なんですか?」と聞かれます。
「医療関係者では無いんですが、医療機器メーカーや製薬会社と仕事をしているので、日頃から色々と勉強をしているんです」
と伝えつつ、具体的な仕事の実例等を紹介すると、非常に納得して頂き、話も真剣に聞いてもらえました。
尚、今回のダカルバジンの滴下に関しては、液量が従来の倍に増えている為、滴下速度を倍にして、時間を従来と同じにするという方法となりました。
で、結果なんですが、滴下中に多少の違和感は感じたものの、明確な血管痛は出ませんでしたね。
ただ、これは滴下方法の変更が奏功したのか、ラインを取った位置を変えた事が奏功したのかは分かりません。
これまで血管痛が出たのは、全て、同じ血管の場所で2回目に滴下した場合だった事を考えると、位置の変更という要素が大きい気がします。
つまり、2クール目の前半で、はっきりとした結果が分かるという事ですね。
抗がん剤治療終了後、胸部X線撮影を行ない、本日の予定は全て終了です。
さて、血液検査の値、特に好中球の値が正常値だった事を聞いたので「これはチャンス」と思い、夕食は近所のお寿司屋さんへ行く事にしました。
6月中旬から、基本的に生ものは自重していて、お寿司は多分、4ヶ月ぶり位ですかね。
久しぶりに食べるお寿司は、しみじみ美味しいです。
また、板前さんが、娘に「超ミニチュア寿司」を握ってくれたりして、とても楽しい食事でした。
これでまた、しばらく刺身はおあずけですね。
と、ここまでは良かったんですが、お店を出る頃になって、身体に異変が。
何故か急激に体調が悪くなります。
あまりお酒を飲んだ訳でもないのに、とにかく体が強烈にダルいです。
家までは、歩いて10分ほどの距離なんですが、正直「これ、歩いて帰れるのか?」と疑うレベル。
妻がタクシーを拾おうとしますが、さすがにそれは止めてもらい、何とか歩いて帰り着きました。
帰宅後、すぐに就寝しますが、3時間後に目が覚めます。
体のダルさは消えていますね・・・体温や脈拍も正常ですし、どうやら体調は戻ったようですね。
一体、何が原因だったのか分かりませんが、本当に焦りました。
やはり、抗がん剤の影響なんでしょうか。
とりあえず、これまで通り、生ものは止めておきましょう。
気管支鏡生検の(暫定)結果と今後の治療方針
2017年8月23日(水)晴れ。
久し振りの猛暑日で、暑いですね。
今日は、先日の気管支鏡生検の結果等を踏まえ、血液内科で今後の治療方針を確認する事になっています。
総合受付で機械から出て来た受付票を確認すると、今日も血液検査が入っています。
何だか嫌な感じですが、とりあえず採血室へ。
採血室で受付を行なうと、今日は久し振りに採尿もあるようで、再尿コップが機械から出て来ました。
一体、何の検査なんでしょうか。
一抹の不安を覚えながらも、採血と採尿を済ませ、血液内科へ。
例によって、しばらく待ちます。
今日は主担当医が外来を担当している日なので、いつもより時間がかかりますね。
2時間以上待った後、ようやく名前を呼ばれて診察室へ。
さて、まずは気管支鏡生検の結果の確認です。
全ての結果が出るには、あと数日必要らしいのですが、現段階で判明している病理検査の結果から
「肺の影はブレオマイシンの投与が原因の薬剤性炎症(器質化肺炎)である可能性が極めて高い」
との事です。
最も心配されていた「ホジキンリンパ腫の肺への浸潤」という可能性は「限りなくゼロに近い」との事で、とりあえずはホッとしました。
ここで、主担当医に
「8月10日に撮影したPET-CTの画像に見られる右頚部の集積については、どのように考えているか」
を聞いてみましたが
「器質化肺炎に対する炎症反応である可能性が極めて高い」
というのが血液内科としての所見だとの事です。
右頚部の集積については病理検査等をした訳ではありませんが
・肺の影がホジキンリンパ腫の浸潤でない(可能性が極めて高い事が判明した)事
・原発箇所である左頚部の集積が、ほぼ消失している事
この2点から「右頚部へのホジキンリンパ腫の浸潤は、理論上、考えにくい」と。
そこで、次に
「右頚部の集積が原発箇所とは別種の病変である可能性」
についても聞いてみたんですが、それについては
・勿論、その可能性はゼロではない。
・ただ、抗がん剤治療中に別種の悪性リンパ腫が発症する事は、理論上、考えにくい。
・また、そういう症例を見た事も聞いた事も無い。
との事です。
加えて言うならば
「勿論、確かな事は言えませんが、左頚部の集積も、ホジキンリンパ腫の残存ではなく、器質化肺炎に対する炎症である可能性もあります」
との事。
まぁ、それはちょっと楽天的過ぎる見立てかも知れませんね。
で、これらの事を踏まえ、今後の治療方針については
・ABVD療法からB(ブレオマイシン)を除いた「AVD」療法を2クール追加
・その後に再度PET-CTを撮影して次の治療法を検討
という提案をしたいという事です。
ただ、別の選択肢として
「勿論、このまま放射線治療へ移行しても良いと思いますが、どうされますか?」
と聞かれます。
そりゃ、僕としても、なるべくなら、抗がん剤治療は追加したくありません。
ただ
・そもそも僕の病状の場合の標準治療はABVD療法4コース(+放射線治療)である事
・左頚部の集積はホジキンリンパ腫の残存であると捉えるのが無難だと考えている事
・最後の抗がん剤治療から既に4週間近く経過している事
・放射線照射範囲も可能な限り限定したい事
等から「AVD療法を速やかに実施したい」と伝えます。
また「治療と平行してセカンドオピニオンも求めたい」と伝えました。
主担当医としても、その方向で賛成だとの事。
「では、これまでの治療経過等をまとめた資料と、紹介状を用意します。セカンドオピニオンを求める病院と先生は決まってますか?」
実は、既に「国立がん研究センター中央病院」を予約してあります。
予約の際、病院から「ご希望の医師はいらっしゃいますか?」と聞かれましたが、別に希望の医師がいるという訳ではなかったので、特に指定はしていません。
医師の指定を行なわない場合、病院の方でホジキンリンパ種に詳しい先生を選んでくれるとの事でしたので、お任せです。
尚、AVD療法は2日後の8月25日(金)から開始する事に決定。
その時までに、セカンドオピニオン用の資料と紹介状を用意してくれるとの事です。
停滞していた事態が、再び動き始めました。
気管支鏡生検② 退院編
2017年8月18日(金)曇り。
気管支鏡生検後の経過に特に問題は無く、無事に退院となりました。
S病院の場合、通常、退院する時間は、朝食後の午前中です。
ただ、僕としては、今日は
・胸部X線撮影
・口腔外科
・放射線腫瘍科
・血液内科
と、予定が目白押しです。
これらが、とても午前中に終わる筈はありません。
入院用の荷物を抱えて、長時間、院内をウロウロするのは、出来れば避けたいですね。
僕の場合、自宅が近いので、退院して、荷物を自宅に置いてから、再度来院しても良いんですが、出来れば、このまま病室を使いたいところです。
昨夜から担当して頂いている看護師さんが、朝の検温に来たので、事情を説明し
「この部屋は何時まで使ってて大丈夫か」を確認してもらう事にします。
看護師さんは
「あぁ、わかりました。では、確認してみますね」
と言って、病室を後にします。
が、いつまで経っても返事が来ませんね・・・。
すると、今度は今朝から担当して頂く看護師さんが挨拶に見えます。
仕方が無いので、先程の看護師さんに対して行なったのと同じ説明をして「病室が何時まで使用出来るか」の確認をお願いします。
しかし、入院する度に思うんですが、この病院の看護師さんは、ちょっとイレギュラーなお願い等をすると、回答が異常に遅い事が多いです。
それだけならまだしも、場合によっては、今回のように、回答が返って来ない事も何度かありました。
こういう考え方は、あまり良くないのかも知れませんが・・・
「この病院の看護師さんの多くはマニュアル以外の事が出来ないに違いない」
と思わざるを得ません。
そうこうするうちに、朝食が運ばれて来たので、とりあえず朝食を食べ、シャワーを浴びます。
身支度を終える頃、朝から担当して頂いている看護師さんがやって来て
「外来が全て終わるまで使ってて良いそうです」との返事を頂きました。
ありがとうございます。
病室を出て、まずは総合受付へ。
いつもなら、診察券を機械に通すと、その日の予定がシートに印刷されて出て来るんですが、モニターに「本日は受付済です」と表示され、シートが出て来ません。
うーん、これだと、各科が何時からの予定になっているのかが分かりませんね・・・。
仕方が無いので、適当に行ってみる事にしましょう。
まずは胸部X線撮影へ。
放射線科の受付では、特に混乱も見られず、撮影はスムーズに終了しました。
次は口腔外科へ。
こちらも特に問題無く、スムーズに診察が終了します。
尚、口腔外科は、今回で終了となりました。
お世話になりました。
ありがとうございました。
この調子なら、放射線腫瘍科もスムーズに行くだろう思っていたんですが、受付に行ってみると、問題が発生します。
どうも、僕の診察は予定に入っていなかったらしく、受付の方から
「ちょっと血液内科の方に確認をしますので、少々お待ちください」と告げられます。
受付の方は、電話口で何やら主担当医と揉めている様子。
その後、しばらく待っていると、名前を呼ばれ、診察室へ入ります。
放射線腫瘍科の担当医は、頼もしい感じのする女性の医師ですね。
担当医は、これまでの経緯をあまり知らない様子だったので、とりあえず、最初の診察時から、昨日、気管支鏡生検を行なった所まで、かいつまんで説明します。
「えー!昨日、入院で気管支鏡生検なさったの?それはお疲れ様でした」
と、医師は少し驚いてました。
つまり、放射線腫瘍科の医師は、その事も知らされていなかったという事です。
で、医師は、先日のPET-CTの画像を見ながら
「うーん、左だけって聞いてたんですが、右にも出てますねぇ・・・これ、どう考えるべきなんだろう・・・」と。
?・・・・・右?・・・・・聞いてないですね・・・・・。
医師は、画像を示しつつ、以下の様な説明をしてくれました。
・右の集積は無視出来ない大きさである事
・しかし、放射線で叩けないような大きさではない事
・ただし、左右両方叩くとなると、片方だけ叩く場合と違って副作用が大きくなる事
・とは言え、照射量は20Gyの予定なので、比較的影響は少ないと思われる事
ただ、その前に、前提として
・右頚部に集積が出た事を血液内科から聞いていない事
・肺の気管支鏡生検の話も全く聞いていない事
から、放射線腫瘍科の医師は、明らかに不愉快そうな様子。
僕としても、これらの情報が共有されていない事は非常に不愉快ですし
「このまま、この病院で治療を受けてて本当に大丈夫なのか?」
と疑わざるを得ません。
「ちょっと血液内科と話をしないと何も決められませんので、一旦、ロビーの方でお待ち下さい」
と言われ、診察室を出て、待ちます。
その後、しばらくして、再び診察室へ。
医師からは
「来週の火曜日に、血液内科、呼吸器内科、放射線腫瘍科の三者で話をして、今後の治療方針を決める事になりましたので、こちらでの治療は一旦、全て白紙に戻します」
と告げられます。
まあ、そりゃそうでしょうね。
これにより、本日の血液内科の予定もキャンセルとなりました。
しかし、肺と同様ですが、左頸部の集積がほぼ消滅しているにも関わらず、何故右に集積が現れたのか・・・。
これも炎症?それともホジキンリンパ種ではない別種の病変?
いや、それなら血液内科で何か言われる筈だし・・・・・謎です。
こりゃ、セカンドオピニオンを求める必要がありそうですね。
気管支鏡生検① 入院編
2017年8月17日(木)曇り。
ここのところ、気温が低くて過ごしやすい日が続いています。
何だか夏っぽくないですね。
今日から一泊二日で入院し、気管支鏡生検です。
朝9時、前回の入院時にも借りた謎の機器「有線の無線LANルータ」を入院受付で借りつつ、病室へ。
妻と娘もついて来てくれたんですが、10時頃から各種バイタルの計測なんかが始まるので、一旦、帰宅します。
血圧等を測りに来た看護師さんに確認すると、生検は13時から2時間程度で予定されているとの事。
妻に、その旨を電話で伝えます。
お昼前に女性の研修医がやって来て、ルートを取ります。
造影CTの時の教訓に従い、良いイメージを頭に思い浮かべ、リラックス。
果たして今回は・・・・・うん、痛みも無く、上手く行きました。
「上手ですね」と言うと
「実は苦手で、患者さんに痛いって言われる事が多くて・・・特訓中なんです」と。
救急の時の研修医に聞かせてあげたい言葉です。
いや、もしかしたら、彼も努力してるのかも知れませんけどね。
その後、看護師さんがやって来て、血液代用剤(ソリューゲンF)の点滴を開始。
これって、出血が多い場合に点滴するイメージなんですが・・・気管支鏡生検って、そんなに出血するんですかね?
それとも、別に、そういう目的じゃないのかな。
さて、13時になり、いよいよ生検へ向かいます。
今回、点滴バッグがつながった状態での移動という事で、万が一の転倒等を防ぐ為、車椅子に乗せられます。
歩いて行くつもりだったんですが、何か大げさですね・・・。
病院に行くと、まさに今の僕と同様、点滴バッグと共に車椅子で移動されている方を見かける事があります。
「大変なんだろうな」と、いつも思っていたんですが、こういう事だったんですね。
いや、もちろん、大変か大変じゃ無いかと言われれば、僕だって割と大変な状況ではあるんですが、単に「別に普通に歩けるんだけどな」という意味です。
今回の気管支鏡生検は、放射線科の一室で行ないます。
X線透視下で、気管支鏡の位置を確認しながら手技を行なう為でしょうね。
まず、呼吸器内科の担当医がやって来て、肩に鎮静剤を注射されます。
その後、喉の奥に麻酔薬を噴霧。
結構な量を10回位に分けて噴霧されますが、全て吐き出せとの事です。
ところで、麻酔薬の噴霧に使うのは、金属の管と試験管のようなガラスで作られている器具なんですが、この器具、何だかレトロな感じがして、なかなか美しいですね。
その後、点滴剤に麻酔薬を入れられます。
意識が遠のいてきた辺りで、気管支鏡を挿入。
医師の「ゆっくり、楽に呼吸をして下さい」という指示が聞こえます。
なるべく楽に呼吸をするように心がけますが、やはり時折、かなり「苦しい」と感じ、強烈にむせ返しました。
その度に、麻酔薬を追加するよう指示する医師の声が聞こえます。
意識としては、半分眠りながら半分起きている感じで、ちょっと不思議な感じ。
意外と、手技の経過や周りの様子が分かります。
しばらくすると、少し辛さが増して来ました。
「そろそろ終わってくれないかなぁ」と思っていると
「はい、もう終わりますよ」という声が聞こえ、無事に終了。
この時、意識は割とハッキリしており、医師とも会話が出来る状態です。
手術台からストレッチャーへの移動も自分で出来ました。
「麻酔が効きにくかったようですが、大丈夫でしたか?」と医師から聞かれます。
「まぁ、何とか大丈夫だったんですが、そんなに麻酔が効きにくかったんですか?」
と聞くと
「そうですね、割と沢山、使いました。もしかして、お酒、強いですか?」と。
医師によれば、酒に強い人は麻酔が効きにくい傾向があるらしいです。
まぁ、確かに、強い方だとは思いますが。
ストレッチャーで運ばれていると、妻と娘が病室前のロビーで待ってくれていました。
無理もありませんが、娘は例によって、もの凄く不安そうです。
「大丈夫だよ」と言って手を繋ぐと、少しだけ安心した様子。
いつも不安な気持ちにさせて、本当にゴメンなさい。
病室に戻った後、パソコンでメールの処理等やっていると、看護師さんがやって来て
「え?眠くないんですか?」と驚かれます。
「皆さん、気管支鏡生検の後は眠くなるんですか?」と聞くと
「そうですね。それに、今回は麻酔薬を沢山使ったと聞いているので」と。
プロの皆さんが驚くんですから、きっと本当に麻酔が効きにくい体質なんでしょうね。
しかし、リンパ節生検の際の局所麻酔は良く効いたイメージがあるんですが・・・不思議です。
薬剤の種類によって、効き方が違うのかも知れません。
しばらくすると、喉の痛みが強くなって来ます。
効きが弱いとは言え、やはり麻酔が切れて来ると痛みが出ますね。
病室に戻って2時間ほど経ったところで、看護師さんが水を持ってやって来ます。
水をちゃんと飲めるかどうかを確認するのだそうですが、特に問題無く飲む事が出来ました。
その後、夕食を食べますが、食後に強烈に眠くなり、8時頃には早々と就寝。
さすがに今日は疲れましたね。
暗転(PET-CTの結果を受けて)後編
造影CTの撮影後、再び血液内科へ向かいます。
そんなに待たされないと思っていたんですが、意外な事に2時間近く待たされた後、診察室へ。
時間がかかったのは、今回の撮影結果について、血液内科・呼吸器内科・放射線腫瘍科の医師達で協議をしていた為のようです。
撮影の結果を見せてもらうと、やはり、肺の下部に影が見られます。
で、この影をどう捉えるかなんですが、まず、これまでの治療の事実として
・この影は抗がん剤治療開始前には見られなかった
・PET-CTの結果では原発部(左頚部)のリンパ腫(集積)は、ほぼ消失している
・これまでの各種検査数値からも新たな病変を示唆するような数値は認められない
という前提があります。
また、影の感じ(すりガラス様の影?)も考え併せると、可能性としては以下の3つが考えられるとの事。
1:ホジキンリンパ腫の肺への浸潤(2〜3%)
2:何らかの感染症(7〜8%)
3:(ブレオマイシンが原因の)薬剤性器質化肺炎(90%)
さて、この結果を受けて、今後どうするかを決めなければなりません。
まず、大きな判断としては、肺の生検を行なうかどうかです。
この影を「薬剤性器質化肺炎」と決め込み、生検を行なわずに、このまま放射線治療に踏み切るというのも、一つの考え方です。
ただ、主担当医としては、念の為に生検を行なう事を勧めたいとの事。
これに関しては、これから呼吸器内科へ行き、担当の医師から話を聞いた上で判断して欲しいと言われます。
診察室を出て、呼吸器内科の受付へ。
そもそも予定していなかった診察だという事もあるのだとは思いますが、ここでも2時間以上、待たされます。
仕方ありませんが、今日は長いですね・・・。
さて、呼吸器内科の医師からは、僕の身体の状態について、色々と説明を受けます。
これは、主担当医よりも詳しい位で、とても分かりやすく、感心しました。
で、この医師の意見としては
「場所的に、最悪の事態も想定し、なるべく早く生検をした方が良いと思います」と。
また、生検には何種類かの方法があるらしいのですが
「今回の部位に関しては、気管支鏡を使った組織採取が良いでしょう」との事。
まぁ、やりますかね、生検。
ところで、この生検は、通常は一泊二日で行なっているらしいのですが
・差額ベッド代の発生しない、通称「検査部屋」は、来週後半まで空きが無い事
・僕が比較的若い事(この生検は60歳前後以降の人が行なう事が多いらしい)
という2点から
「入院せずに生検を行なう事も出来なくはありませんが、どうしますか?」
と聞かれます。
逆に言えば「検査部屋」が空くのを待つよりも、多少の不都合があってでも、通院での早期生検にプライオリティを置くべきという事のようです。
少し考えてみましたが、差額ベッド代を払って入院する事にします。
これまで、僕は気管支鏡による生検を受けた事もありませんし、何が起こるか分かりませんので、安心の為ですね。
しかし、これまで入院の際、差額ベッド代の無い部屋の数もそれなりにあるのに
「何故いつも空いてないんだろう?」
と不思議に思っていましたが、理由が良く分かりました。
尚、生検の日程は、3日後の8月17日(木)に決定です。
診察室を出ると、看護師さんから気管支鏡生検についての簡単な説明があり、同意書等の書類を渡されます。
全てが終わったのは17時10分。
今日は朝9時50分に来たので、もう7時間以上も病院にいるんですね・・・さすがに疲れました。
このまま家に帰りたいところなんですが、今日は具合の悪い事に、どうしてもオフィスに行かなくてはならない用事があります。
昼食を食べていなかったので、会社の近くにある「なか卯」でうどんを食べて、オフィスへ。
何とか仕事をこなし、帰宅したのは23時近く。
夕方にうどんを食べた事もあり、今日は夕食を摂らずに寝る事にします。
スムーズに放射線治療に移行すると思っていたんですが、そう上手くは行かないもんですね・・・。
それにしても、肺の影・・・さすがに、ちょっと不安です・・・。
何だか色々な意味で、本当に踏んだり蹴ったりの一日でした。
暗転(PET-CTの結果を受けて)前編
2017年8月14日(月)曇りのち雨。
お盆の気候とは思えないほど、気温が低くて涼しいです。
この日は、先日撮影したPET-CTの結果を聞きにS病院へ向かいます。
総合受付を済ませ、血液内科の受付へ行くと
「血液検査の指示が出ていますので、採血をお願いします」と言われます。
受付票を改めて見ると、確かにそうなってますね。
「撮影結果を聞くだけなのに、何で今日、血液検査をするんだろう?」
と、若干の違和感を覚えつつ、採血室へ向かいます。
採血終了後、例によって、血液検査の結果が出るまで1時間半ほど待たされた後、名前を呼ばれて診察室へ。
主担当医は、いきなり本題からではなく、当たり障りのない世間話から入ります。
これは経験上、あまり「良い兆候」ではありませんね。
さて、検査結果を聞きますが、まずは良いニュース。
原発箇所である左頚部リンパ節の腫脹に関しては、ほぼ消失している事が確認されたとの事です。
そして、やはり、と言うか、悪いニュースもありました。
具体的には、肺に新たな集積が見られるという事です・・・。
主担当医としては「この集積の正体を確認する必要がある」為、急遽、これから造影CTを撮影する事になりました。
PET-CTの結果に問題が無ければ、今日は放射線腫瘍科で今後の治療について話をする予定だったんですが、キャンセルです。
診察室を出て、放射線科へ。
受付に行くと、何時間前に食事をしたかを聞かれます。
造影CTの撮影は全く予定していなかったので、朝食を食べて来てしまいました。
その旨を伝えると「1時間ほど時間を置いてから撮影になります」との事。
まぁ、仕方無いですね。
待つしかありません。
1時間後、検査着に着替え、CTの撮影室へ入ります。
ここで、ちょっとした事件が発生。
造影剤を注入する為、看護師さんが右腕にルートを取ろうと試みますが、なかなか上手く行きません。
ルートの確保の失敗は初めて体験しましたが、物凄く痛いですね・・・。
「すみません、一度、抜きます」
そう言って、看護師さんは再度チャレンジします。
が、何と2度目も敢えなく失敗・・・看護師さんが焦っているのが分かります。
「本当にすみません・・・ラインを取る人間を変えます」
申し訳無さそうに看護師さんはそう言うと、今度は医師が登場。
嫌な予感しかしません。
経験上、医師の方が穿刺が上手い訳は無いんですが・・・。
はい、予想通り、3回目も失敗です。
これには、さすがに僕も不機嫌になりました。
話によれば、3回共、血管には届いているらしいのですが、その後、針が進まなくなってしまうとの事。
医師曰く「筋肉が強張っているみたいに見えます」と。
それを聞いた時、先週土曜日の救急で、採血の際に痛い目にあわされた事に思い当たりました。
冷静になって現在の自分の心理状態を確認してみますが、正直、穿刺される事に拒否感や嫌悪感を感じている事が分かります。
そこで、少し時間を貰い、なるべく良い穿刺の記憶、例えば、S病院のクリニックのAさんのイメージを持つように試みました。
しっかりと良いイメージを持つ事が出来たと感じたところで、再度ラインの確保をお願いします。
すると「不思議と」と言うべきか「予想通り」と言うべきか、上手く行きました。
これには、さすがに全員ホッとします。
いや、お騒がせしました。
しかし、もし、今回のトラブルが僕の精神的な要因によるものだとすれば、気を付けなくてはいけませんね。
つまり、今回、ラインの確保に3連続で失敗した事も、土曜のような事さえ無ければ上手く行っていた筈であり、嫌な記憶として残らないようにしなくてはならないという事です。
それにしても、この仮説が正しいのだとすれば、尚更、あの研修医には本当に穿刺が上手くなって欲しいですね・・・。
その後、撮影は無事終了し、再び血液内科へ向かいます。
さて、どんな結果が待っているんでしょうか。
ついに発熱(そして最悪の・・・)
2017年8月12日(土)晴れ。
この日、目覚めると、多目の汗をかいている事に気付きました。
と言うより、多目の汗をかいている不快感で目が覚めたのかも知れません。
何となく変な感じがしたので、体温を計ってみると、38.5℃です。
ついに38℃を超えましたね・・・。
基本的には、38℃を超えた場合、病院に連絡をする事にはなっているのですが、瞬間的な現象かも知れませんので、とりあえず、少し様子を見る事にます。
発熱以外に特に症状は無いものの、午後3時の時点で38.7℃。
土曜ですので、S病院の救急に電話しました。
電話口に出た看護師さんに、S病院での治療状況や現在の症状等を伝えると、来院するように言われます。
受付を済ませて待っていると、ほどなくして、先程、電話口に出て頂いた看護師さんがやって来て、症状等を細かく聞かれます。
その後、体温や血圧、酸素濃度等を測定し、診察室へ。
担当の医師は、若い研修医ですね。
症状を伝えると
「血液検査と尿検査を行ないましょう」
との事で、まずはその場で採血されます。
採血終了後、採尿を行ない、検査結果が出るまで待ちます。
休日の為か、少し時間がかかりますね。
2時間ほど待っていると、名前を呼ばれ、再び診察室へ。
医師によれば
・血液、尿共、検査結果に大きな問題は無い。
・白血球数も3,100(個/μl)ほどあるので、極端に低い数値だという訳ではない。
・ただし、今日は休日なので、好中球数の判定が出来ない。
との事。
で
「感染の有無を詳しく調べたいので、再度、2箇所(両腕)から20mlずつ血液を採取し、培養します」
と伝えられます。
まぁ、別に良いんですが・・・ただ、ただね・・・大変申し訳ないんですけど、出来れば、君じゃない人に採血して欲しいなぁ・・・。
先程、採血した事をサラッと書きましたが、実はこの採血、これまでの中で最悪に痛かったんですよねぇ・・・。
さっきのが、たまたま痛かっただけなら良いんですが、どうもそうとは思えないんですよねぇ・・・。
そんな僕の不安も知らず、医師は血液培養検査の準備を淡々と進めます。
一言「別の人にお願いします」と言えば良いだけなのかも知れませんが、いざとなると、中々言い出しにくいですね・・・。
「さっき痛かったのは、きっと、たまたまだったに違いない」
とりあえず、そう思い込む事にし、いざ、採血。
果たして・・・・・。
「痛って!!」
思わず声が出てしまいました。
やはり、そんなに甘い話な訳がありません。
「あぁ、痛いですか。すみません。ちょっと我慢して下さいね」
事も無げに言い放つ医者に、正直、微かな殺意を覚えます。
それほどまでにヒドイ腕前なんですよ、これが。
彼に悪気が無いのは分かります。
僕が、ちゃんと「他の人にお願いします」と言わなかったのが悪いのかも知れません。
けど、ねぇ・・・君、あまりにも穿刺が下手過ぎないか?
1箇所目を終え、2箇所目は右腕から採血を行ないますが・・・
「!!!」
・・・こちらも同じくらい痛く、その再現性の高さには、ある意味「見事」と言うほかはありません。
一体どうすれば、こんなに痛く出来るのか、逆に分かりませんね。
掛け値無しに「最悪」です。
僕は「トラウマ」などという言葉を使うのが好きではありませんが、この時の事は、後に実害を及ぼすほどの経験でした。
診察を終え、今日のところは抗生物質(レボフロキサシン)を3日分処方してもらい、帰宅しました。
この日は早目に就寝します。
翌日になり、体温を測ってみると、36.7℃に下がりました。
この日、こまめに体温を測ってみましたが、全て平熱の範囲でしたね。
薬が効いたんでしょうか。