無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

確定診断までの経緯その② 職場近くのクリニックへ

2017年2月3日(金)の昼過ぎ、職場近くのクリニックへ向かいました。

 

そのクリニックを選んだのは、職場に一番近く、診察券を持っていたからというだけの理由です。

正直に言えば、個人的にはそのクリニックに対してあまり良い印象は持っていません。

具体的な理由を述べるのは避けますが。

 

とにかく僕としては、どこかのクリニックで診察してもらった後、どこかの急性期病院に紹介状を書いてもらうつもりだったので、最初に受診する医療機関は別にどこでも良かった訳です。

 

受付を済ませ、20分ほど待った後、名前を呼ばれて簡素な診察室に入ります。

医師に対して簡単に状況を説明した後、触診が行われました。

 

「うーん、確かに首の左側が全体的に腫れてますね。腫れは非常に柔らかくて、しこりのような物はありません。また、その他のリンパ節に腫れは無いようです。何ですかね・・・」

 

医師はそう言うと、まずはレントゲンを撮ろうという事になりました。

一旦診察室を出てからレントゲンを撮影した後、しばらくして再び診察室に呼ばれて医師と話をしました。

 

うーん、確かに首の左側が全体的に腫れてますね

 

「はぁ(そりゃそうだろう)。何が原因なんですかね?あるいは何の病気が疑われるんでしょうか?」

 

「うーん・・・分かんないですね」

 

「・・・あの、割と腫れてもいますんで『分からない』ってだけなのも困るんですが」

 

「そうですね・・・このクリニックだと診断はつけられそうにありませんので、大きな病院で診てもらった方が良いでしょうね。うちでは通常、J病院に紹介状を書くんですが、それで宜しいですか?」

 

医師にそう言われ、僕は紹介先の病院について考えました。

J病院は職場の近くにあり、自宅の近くにはS病院があります。

僕の場合、他の候補としては、地理的にはT病院、その他の諸要因からするとK病院あたりが有力な選択肢です。

少し迷いましたが、結論としてS病院に紹介状を書いて貰う事にしました。

 

「分かりました。で、何科にするべきなのかな・・・うーん・・・」

 

「首のリンパ節の腫れだとすると、耳鼻科とかですか?」

 

「うーん、一概にそうとも言えないんですが・・・形成外科かなぁ・・・」

 

「形成外科!?」

 

その時、クリニックの医師の頭にどんな考えがあったのかは分かりません。

が、結論として、S病院の形成外科宛に紹介状を書いてもらう事になりました。

 

紹介状を受け取り、オフィスに戻ってからS病院に電話を掛けます。

S病院の予約電話は以前にも掛けた事があり、非常につながりにくいイメージがあったのですが、その時も電話がつながるまで10分ほどかかりました。

 

電話がつながった後、形成外科に予約を取りたい旨を伝えます。

すると「紹介状はどの医師に対して書かれていますか?」と聞かれました。

 

「いや、詳しくは分からないんですが、恐らく名指しでは書かれていないんじゃないかと思います」

 

「では、最短で2月14日になりますが、宜しいですか?」

 

「は!?」

 

10日以上も後って・・・いくらなんでも、ちょっと遅過ぎます。

時計を見ると、時刻は14時少し前。

まだ幾つか他の選択肢に変更する時間がありそうです。

とりあえず、S病院での予約は取らずに電話を切る事にしました。

 

その後すぐ、まずはJ病院に電話をしてみる事に。

S病院とは異なり、電話はすぐにつながりました。

電話口の方に、仮に今、具体的な医師名が記載されていない紹介状を持って行ったとして、形成外科を予約するとなると、最短でいつ受診可能かを確認します。

 

「15時までにご来院頂ければ、本日受診して頂けます」

 

礼を言って電話を切った後、紹介状を持って先ほどのクリニックに向かいます。

 

「あの、先ほどこちらを受診して、S病院宛に紹介状を書いて頂いたのですが、宛先をJ病院に変更して頂く事は可能でしょうか?」

 

クリニックの受付の方にそう尋ねると、快く対応して頂けました。

 

冒頭にも書いた通り、そのクリニックに対しては基本的に良い印象を持ってはいないのですが、その時ばかりは本当に感謝しました。

我ながら、客なんて本当に勝手なもんですよね。

 

とにかく、書き直してもらった紹介状を受け取り、そのままJ病院へと向かいました。