抗がん剤治療その⑦ AVD療法2クール目前半
2017年10月6日(金)曇りのち雨。
ちょっと肌寒いですね。
今日は、2週間前、好中球の減少により延期になったAVD療法3回目のやり直しです。
果たして今回は、無事に治療を行なう事が出来るんでしょうか。
いつものように、総合受付を済ませた後、オンコロジーセンターへ。
まずはライン取りと採血ですが、今日の担当は「神の手」の持ち主、Eさんです。
静脈穿刺が上手な方は何人もいらっしゃるんですが、僕が知る限り、その中でもEさんはズバ抜けた存在です。
ともすれば、こういう言い方は失礼になってしまうのかも知れませんが、指名料を払ってでも毎回Eさんに担当して頂きたいほどの腕前で、比喩では無く、本当に針が刺された事が分かりません。
静脈穿刺が上手な方にお会いすると、僕はいつも感謝の言葉をお伝えすると共に
「この技術は、もっと評価されてしかるべき」
という旨の話をしてしまうんですが、上手な人ほど
「いや、仕事ですからね」
とニッコリ微笑みながら仰います。
うーん、仕事に臨む姿勢が、真摯であり、謙虚であるんですよね。
勿論、だからこそ「神の手」を持つに至る訳ですが、こういう姿勢は、僕も常に忘れないでいたいものです。
採血と採尿を終えると、次は口腔外科です。
オーグメンチンが劇的に効いた事もあり、診察では「全く問題無し」との事。
前回の診察時、今日の状態によってはレントゲン撮影を行なう事も考えられていましたが「必要無いだろう」という判断となりました。
次回は2ヶ月後にフォローです。
口腔外科の後は、血液内科へ。
本日の検査の結果、好中球も含めた白血球数は正常値に戻っていました。
その他の各種数値も良好で、感染症の疑いもありません。
予定通り、本日よりAVD療法再開です。
また、主担当医に
「抗生物質の副作用だと思いますが、肌に発疹が出来ていて、痒いです」
と伝え、肌の状態を見せます。
とりあえず、今回は保湿剤としてヒルドイドを処方して貰い、様子を見る事に。
以前、娘にも良く使ってましたね・・・懐かしいです。
診察室を出て、再びオンコロジーセンターへ。
いつも通りの手順で滴下が進み、ダカルバジンの滴下準備をしていた所に、薬剤師さんがいらっしゃいました。
この方は、最初のABVD療法で入院していた際にお世話になった薬剤師さんですね。
お久し振りです。
最近の状態等について色々とお話しますが、僕の血管痛の事は、カルテを見て、ずっと気になっていたのだとか。
そういう訳ですから、前回、抗がん剤治療が延期になった事もご存知で、心配していたとの事。
いや、本当に有難い事です。
また、今日ヒルドイドが処方されている事について
「発疹や紅斑が出ましたか?」
と聞かれましたので、一番分かりやすい状態の所をお見せしました。
「うーん、これなら別の薬を出しても良いような・・・」
と呟かれましたので
「家にロコイドがあるんで、ヒルドイドで改善しなければ、それを使います」
と伝えると
「あ、なるほど」
と納得された様子。
この薬剤師さんは、僕が素人ながら薬剤や医学の知識を持っている事を良くご存知なんですが、素晴らしいのは、僕のような人間の事を「素人のくせに」と専門家ぶって見下したりしない所です。
入院中の事なんですが、実は、ある薬剤について、僕が話した事をご存知なかった事があります。
その時、この薬剤師さんは、その事について僕から素直に教わり、ちゃんと勉強して自分の物にされていました。
冒頭に触れたEさん同様、こういう姿勢を持っていらっしゃる方は本当に尊敬出来ますし、頑張って欲しいなと思いますね。
さて、そんな話をしながらもダカルバジンが滴下されている訳ですが、問題の血管痛と言えば・・・やはり、若干は出ますね。
今回、ルートを取った血管は、AVD療法1回目に使用した血管です。
以前の記事にも書きましたが、これまでの経験では、同じ血管から2回目の抗がん剤治療を行った際に血管痛が出ています。
ただ、今回は耐えられないほどの痛みではありません。
肘関節内側付近の多少太い血管なので、多少、痛みが緩和されてるんでしょうか。
何とか無事に抗がん剤治療を終え、本日のメニューは全て終了です。
受付票を再度確認しますが、胸部X線撮影の記載はありません。
実は先程、血液内科で処方箋を出して貰った際、最初はヒルドイドの処方を忘れてましたし、オンコロジーセンターでも「指示書が来ていない」と大騒ぎしていました。
これは、胸部X線撮影も、主担当医の手配ミスの可能性がありますね・・・。
本当に大丈夫なんでしょうか。
どこで家電を買うべきか
2017年9月24日(日)晴れ。
2日前に処方された抗生剤(オーグメンチン)を飲み始めて以来、劇的に口の中の痛みが減って来ています。
まぁ、効いてる訳ですから、喜ばしいことではあるんですが、ここまで効くと「ちょっと怖い」と感じるのは、身勝手というものなんでしょうか。
とにかく、それだけ免疫力が低下していたという事ですね。
さて、数日前の事ですが、仕事中に妻から電話がありました。
泣きそうな声で
「とと・・・ごめんなさい・・・テレビ、アルコールが入ったクリーナーで拭いてダメにしちゃった・・・」
と。
うーん、やっちゃいましたか・・・。
意外と知られてませんが、確かに、そういうクリーナーでテレビの画面を拭くと、コーティングが取れちゃいますからね・・・。
我が家のテレビは、10年前の日立のプラズマテレビなんですが、なかなか頑丈で壊れないので、今でも普通に使っています。
日立の家電は他にも幾つか持っていますが、本当に丈夫ですね。
帰宅してテレビの状態を確認して見ると、画面の1/3ほどのコーティングが剥がれ、ピッカピカになっています。
ただ、表面がガラスなので、白濁などしている訳ではありません。
従って「映像が見えない」という事はないんですが、黒が黒に見えませんね・・・。
話は変わりますが、これも数日前、僕がヒゲトリマーを使った後に刃を洗い、紙ナプキンに包んだままにして会社に行ってしまった結果、間違って刃を捨てられてしまうという事件も発生。
この替え刃を買う必要があります。
それから、ちょっと前からルンバのバッテリーが完全に寿命を迎えていて、これも買い換える必要がありますね。
そんなこんなもあり、更に他にも幾つか気になっている物がありましたんで、久し振りに家電量販店へ出掛けました。
まず最初に、ルンバのバッテリーを購入。
え?これ、1万円もするの?
・・・うーん、とりあえず今回は買いましたが、今後はちょっと考えないといけないかも知れませんね・・・。
次に、ヒゲトリマーの替え刃を購入します。
ここは、いわゆる「美容家電」や「健康家電」のフロアなんですが、以前から少し気になっていたダイソンのドライヤーが置いてあったので、試してみました。
ドライヤーというのは、基本的には風量が重要なのですが、ダイソンは凄いですね。
温度管理や整流技術にも見るべき物があり、感心はしましたが、さすがに5万円ってのは・・・。
妻は非常に欲しがってますが、ちょっと考えさせて下さい。
また、このフロアには「3DスーパーブレードS」というフィットネス器具が置いてある事が分かっていましたので、試してみました。
これは、少し前に、胃がんからの復帰を目指す広島カープの赤松選手が出ている番組で見かけ、ちょっと気になっていた製品です。
と言うのも、抗がん剤治療を開始して以来、確実に筋肉量が落ちている事を実感しており、体力の維持や、リハビリに活用出来る製品かどうかを確かめたいと思っていたからです。
いざ、ボードの上に立ち、スイッチを入れてみますが・・・うーん、これに関しては、僕は要らないかな・・・。
その後、オーディオ機器なんかも少し触ってみつつ、テレビの売り場へ。
ここで、初めて有機ELテレビを見たんですが、いや、これは凄い・・・今までのディスプレイとは別物ですね。
有機ELテレビは幾つかのメーカーから販売されていますが、パネルは全てLGディスプレイが供給している筈です。
が、画像処理ソフトや半導体の差なんでしょうか、ソニーの物が頭2つほど抜けているように感じました。
ただ、これも高いですね・・・。
色々考えましたが、4K放送が本格化するのは来年の12月からですので、この放送に対応したチューナーが搭載されたテレビの登場を待つ事にしますかね・・・有機ELテレビが少しは安くなる事を期待しつつ。
しかし、店舗型の家電量販店は大変でしょうね・・・。
色々と工夫はしているようですが、基本的には、物が同じなら、より価格の安いネットショップに顧客が流れてしまうのは避けられません。
街の電器屋さんなんかの場合、手厚い無料サービスを提供したり、極端なケースでは、本来の業務範囲外にまでサービス拡充し、店としての付加価値を高める事で生き残りを図っているようです。
が、そういう方向性においても、家電量販店は最も中途半端な立ち位置になってしまっているのは否めません。
消費者側にも色々な事情がありますので「どこで家電を買うべきか」については、様々な意見があると思います。
僕の場合、現物を確認してからでないと、家電は買いたくありません。
従って、余程の事が無い限り、家電量販店の店頭に出向き、そこで買う事が殆どです。
また、仮にネットで買うにしても、いつも行っている幾つかの家電量販店が運営しているネットショップで買うようにしています。
「義理立て」という訳でも無いんですが、やっぱり、他の所で買うのは気が引けちゃいますね。
権利を行使するのなら
2017年9月23日(土)晴れ。
過ごしやすくて、気持ちの良い天気です。
この日は、趣味車の整備工場へ。
実は先日、僕の乗っている趣味車のリコールの通知があり、先週の日曜に整備に出していましたので、その引き取りへ伺いました。
工場では、今回のリコール内容について説明を受けましたが、割と大掛かりな改修だったようです。
このメーカーは、滅多な事ではリコールを行なったりはしないんですが、それだけに、今回は深刻だったのかも知れません。
何はともあれ、お疲れ様でした。
これで安心して運転出来ます。
ところで、工場に車を引き取りに伺う直前、ちょっとした出来事がありました。
車の引き取りの前に、工場の近くの適当なお店で昼食を済ませて行こうと思い、スマホで調べてみます。
近隣でお蕎麦屋さんを検索し、最上位に出てきたお店に何の気無しに向かいました。
お店に着くと、店頭で
「何名様ですか?」
「3名です」
「大人3名?」
「いや、大人2名と子供1名です」
「すみません、うち、子供お断りなんですよ」
と。
最初に言っておきますが、僕は店が客を選ぶのは、店側の権利であり、自由だと思っています。
「子供お断り」でも
「おっさんお断り」でも
「高齢者お断り」でも
「病人お断り」でも
「外国人お断り」でも
「入れ墨のある人お断り」でも
「LGBTの人お断り」でも
「障がい者お断り」でも
「低所得者お断り」でも
「精神科に通院歴のある人お断り」でも
何でも好きなようにすれば良いと思います。
ただね、そういうルールがあるんだったら、ちゃんと告知しておいて欲しい訳ですよ。
少なくとも、ネット上で検索される事が予め分かっている媒体には情報として載せておくべきじゃないですかね?
このお店は「公式アカウント」としてFacebookのページを持ってるんですが、そこにも何も明記されていません。
さすがに、これは無いんじゃないかと。
実は、後で気が付いたんですが、店の入口に立て看板が置いてあり、その中に小さな文字で「子供お断り」の旨が書いてありました。
まるで「ほら、ちゃんと書いてありますよ」という言い訳用だとしか思えず、告知の機能を全く果たしていません。
看板に書くという事は、最低でも「公式アカウント」と称している「Facebook」や、常識的に考えて、飲食店にとって代表的なネット媒体である「食べログ」等に書いておいてしかるべきなんではないでしょうか?
また、これも後で分かった事なんですが、その店の公式Facebook上にも僕と同様の意見を以前に寄せていらっしゃる方がいて、その方に店側が答えてるんですよね。
「看板に小さく書いてある」って。
なのに、何でネット上で誰でも目にする所に、ちゃんと書かないんですか?
客を絞っているという事実を、どうしてもネット上に明確な形で載せたくないんであれば、完全予約制にしておけば良い筈です。
そこで客を絞っている事実を直接伝えられますからね。
ただ、こういう中途半端な対応しかしていない店ですから当然の事なんですが、この店は、そういう措置も取っていません。
店が客を絞る事に限った話ではありませんが、何につけ、権利を行使するのならば、少なくとも義務を果たしてからにして欲しいもんです。
本当に時間の無駄でした。
車を引き取り、車庫に納めたのは午後2時過ぎ。
さすがにお腹が減っていたので、ハンバーガーを頬張りながら、ある家具屋さんへと向かいます。
最近、娘の物が色々と増えて来た事もあり、妻と「ちょっとリビングの収納を増やそうか」と話し合っていたんですが、前日に、たまに家具を買っているお店が「創業65周年記念セール中」との情報を得ていたので、この日、行ってみる事にしていました。
「創業65周年」って、何か中途半端ですが・・・。
店内を見ると、通常のセールとは異なり、定番品も軒並み割引になっています。
そのせいか、過去に見た事が無いほど、お客さんが入ってますね。
目星を付けておいた家具の現物をチェックしてみましたが、なかなか良さそうです。
気になる点を店員さんに幾つか確認した上で、予定通り、収納付きのコーヒーテーブルとサイドボードを買う事にしました。
ここのお店は、家具が届くまでに最短でも一ヶ月ほど時間がかかるのが難点なんですが、その分、品質に比べてリーズナブルではあります。
今回はセールという事もあり、更に安く手に入れる事が出来ましたので、良かったんじゃないでしょうか。
蕎麦屋の一件ではイラッとしましたが、無事にリコールも終えましたし、良い買い物も出来ましたので、まぁ、忘れる事にしましょう。
とりあえず、家具が届くのが楽しみですね。
車を運転するという事(東名高速道路の事故報道に改めて思う)
唐突ですが、以前の記事でも何度か触れている通り、僕は時々、サーキット走行を行なっています。
僕がサーキット走行を行なうようになったのは、趣味車を買った事がきっかけです。
趣味車のディーラーでは、サーキットでのトレーニングや走行会などを定期的に開催しており、そこで誘われて、サーキットを走行するようになりました。
そのトレーニングに初めて参加する事になった時は、正直
「サーキットなんか走れるのかな?」
と、不安に思っていました。
が、その一方、僕は、ほぼ毎日、20年以上も運転をしていますし、これまで事故を起こした事もありませんので、心のどこかで「ま、きっと大丈夫でしょ」程度に軽く捉えていた事も事実です。
初めてサーキット走行を経験した際は、最悪でした。
僕が参加したトレーニングでは、参加者が運転技能レベルに応じて数組に分けられ、一組ずつ、現役のレーサーが先導して走行しながら指導を行ないます。
したがって、本来であれば、僕はビギナークラスに入れられる筈だったんですが、ちょっとした事情もあり、僕のようなズブの素人が、サーキット走行常連組の中に放り込まれてしまいました。
この常連組の人達はメチャクチャ速くて、先導するレーサーを後ろから突っつき回すほどの実力です。
走行前は「皆さんのペースを見ながら走りますんで、無理してスピードを出さないで下さいねー」とか言ってたレーサーが、抜かれまいとムキになり、 どんどんペースが上がって行きます。
その結果、僕はあっという間に、一人でコースに置き去りにされてしまいました。
初心者からすれば、サーキットなんて、どこをどう走れば良いのか皆目見当がつかず、僕は取り残されたコース上で物凄く不安になりました。
「そんな馬鹿な」と思われるかも知れませんが、これ、一度サーキットを走ってもらえれば分かると思います。
特に最初は、本当に、どこをどう走ったら良いのか全く分かりません。
普段、私達が走っている道路が、いかに走りやすく、安全に配慮して設計されているのかが分かります。
話を戻しますが、取り残された僕は「遅れちゃいけない」と、気ばかり焦ります。
ただ、どこをどう走れば良いのか分からないまま走る訳ですから、当然の事ながら、適切な運転操作を行なう事など出来ず、その結果、2度もコースアウトしてしまう事に。
この時のサーキットは富士スピードウェイだったんですが、ここはエスケープゾーンが広く、少々コースアウトするくらいでは壁にぶつかるような事はありません。
が、それでも非常に怖い思いをしました。
ちなみに、筑波サーキットなんかだと、エスケープゾーンが非常に狭い為、ちょっとしたミスで簡単に壁に激突してしまいます。
幸いにも、僕はまだ激突した事はありませんが、壁に激突する車を目の前で何度も見た事があります。
本当に恐ろしいですよ。
再度、話を戻しますが、この富士スピードウェイでの経験は、僕にとって本当にショックでした。
何しろ、20年も毎日車を運転していながら「運転という物が全く出来ていなかった」という事実に気付かされた訳です。
ハイテク制御の塊みたいな現代の車でも、サーキットのような環境だと、簡単に制御不能に陥らせる事が可能です。
逆に言えば、普段、車を運転していて、まず制御不能に陥る事が無いのは、公道での使用が想定された車の高度な制御技術と、非常に良く考えられた道路設計のおかげです。
決して、ドライバーの運転技術が高い訳ではありません。
そして、私を含め、未熟な運転技術しか持たず、場合によっては、自分の事を「運転が上手い」などと勘違いしている人間が、歩行者や対向車がいる街中で、2トン近い凶器を毎日振り回しているという事実。
つまり、ドライバーは、いつ人を殺してもおかしくないという事です。
それらの事実を痛感した時、車なんかすぐに叩き売って、運転そのものをやめてしまおうかなとまで思いましたが、それでは結局、何の解決にもなりません。
自分なりに考えた結果、まずはドライビングレッスン等に通い、運転を一からやり直す事にしました。
運転技術や運転理論に関する書籍等も読み漁りましたし、サーキット走行も何回か行ないました。
勉強をして行くと、一般道で法廷速度以内でも練習出来る事が沢山ある事も分かりましたので、それも毎日実践しました(それらは今でも実践しています)。
そして、数ヶ月後、再び富士スピードウェイでのトレーニングに参加。
まだ不安はありましたが、とにかく、きちんと車を制御する事を心掛けて走ります。
すると、まぁ多少は練習の甲斐もあったのでしょうか、それなりに余裕を持って走る事が出来ました。
コースアウトする事も無く、車列に遅れるような事もありませんでした。
尚、このトレーニングは国内A級ライセンスの認定試験も兼ねているのですが、そちらも無事に頂く事が出来ました。
ただ、正直、ライセンスの取得自体はどうでも良く、とにかく、この経験を通じて嬉しかったのは、あんなに怖かった運転を「楽しい」と思えるようになった事です。
それと同時に、車を運転するという事の意味や責任を、より一層、痛感するようにもなりました。
これまでも、頭では理解していたつもりだったんですが、しっかりと自分の身に沁み渡らせる事が出来たと思います。
実は、ここからが本題です。
先日、やり切れないニュースを目にしました。
今年の6月に発生した、東名高速道路で夫婦が亡くなった事故の経緯について、数日前から色々と報道されています。
このブログで、その事故について詳細に解説する気はありません。
個別の事故内容について、意見を述べるつもりもありません。
ただ、常々思っている事があります。
それは、車の運転免許を交付(及び更新)する条件は、もっと厳しくした方が良いんじゃないか?という事です。
今回の記事に書いたサーキットでのトレーニングは一例に過ぎませんが、運転免許の交付や更新をする際には、こういった講習を義務付けてはどうでしょうか。
国内A級ライセンスの取得は、実は割と簡単で、はっきり言えば、誰でも取れます。
ですから、実際にライセンスを取得する事自体は、あまり重要ではありません。
ただ、その取得過程で経験する事は、今回の記事で述べたように、車の運転に対する意識を確実に変えると思います。
これが、非常に重要な事です。
事故の性格上、仕方の無い事なのかも知れませんが、東名高速道路の事故に関しては、容疑者を非難したり、被害者に同情する観点からの報道がほとんどのようです。
そして、僕が非常に残念に思うのは、こういう事故を「どうすれば防げるのか」という提言が、ほぼ見られない事です。
この事故は、容疑者が車を運転する事の危険性と責任を正しく認識してさえいれば、決して起こらなかった筈です。
まず、煽り行為や急ブレーキ、進路妨害等の危険な運転もしなかったでしょうし、高速道路上で車を停止させる事など、絶対に有り得ません。
そもそも、トラブルの発端となったとされる、パーキングエリア上の危険な場所に車を停車させる事すら無かった筈なんです。
運転技術や運転適性、また容疑者の素行等の話ではなく、ただ運転に対する認識が正しければ良かっただけの話です。
この容疑者に限らず、危険な運転をしているドライバーはそこら中にいますし、そういう連中は、実際に事故を起こしています。
つまり、現行のプログラムでは、運転に対する正しい認識をドライバーに与えられていないのです。
先に述べた通り、国内A級ライセンスの取得講習自体は、ただの一例でしかありませんし、それがベストな方策だと言うつもりもありません。
ただ、この講習プログラムは既に存在する訳ですから、簡単に流用する事が可能で、すぐに実施出来る対策だと思います。
不可抗力で命を落とす事は、残念ながら、あるでしょう。
でも、この東名高速道路の事故は、意識一つで防げた筈なんです。
こんな事で人が命を落とすなど、あってはならないと思います。
AVD療法2クール目前半(の筈が・・・そして久しぶりのゲーム?)
2017年9月22日(金)曇り。
今日はAVD療法3回目です。
いつもの通り、総合受付を済ませ、まずはオンコロジーセンターへ。
今日はAVD療法1回目でラインを取ったのと同じ血管(左腕の肘関節内側の血管)からラインを取ってもらいます。
これまでの経験では、同じ血管から2回目の抗がん剤治療を行った際に血管痛が出ていますので、今日のダカルバジンの滴下結果は注目です。
さて、どうなることやら。
尚、今日は珍しく(初めて?)、オンコロジーセンターでラインを取ってもらう際、明確な痛みがありました。
恐らく、上記の事もあり、僕が緊張していたんだと思います。
何とか無事にラインを確保し、採血を終えた後、血液内科へ向かいます。
血液内科では、最初に看護師さんとの問診がありました。
一通りの問診を終えた所で
「何か他に気になる所はありますか?」
と聞かれましたので、歯の痛みについて話しました。
実は、3日ほど前から口の中に違和感があります。
口内炎とはまた違う感じで、具体的には、食事の際や、何も食べなくても噛む動作を行なうと、右側の上下の歯が何本か痛みます。
食事に支障があるレベルの痛みがあり、右側は全く使えません。
そういう訳ですので
「血液検査の結果が出るまでの間に、緊急で口腔外科を受診したい」
と看護師さんに伝えました。
看護師さんから話を聞いて、ほどなくして処置室に来た主担当医は、僕の口の中の状態を確認します。
「うーん、確かに、ちょっと腫れてるかも知れませんね・・・痛みがあるという事なら、口腔外科の方で診てもらいましょう」
主担当医はそう言って、その場で口腔外科の担当医に連絡を入れてくれましたので、緊急で受診出来る事になりました。
口腔外科では、担当医に色々と診てもらいますが、所見としては「あまり無い事例で、判断が難しい」との事。
現状としては「特段の重篤な状態ではない」としか言えないようです。
が、その一方
「これは現在の状況を血液内科に確認してからになりますが、可能であれば、歯茎に影響を与える細菌類に有効な抗生物質を処方してもらった方が良いかも知れません。これについては、この後、血液内科の医師と相談しておきます」
とも言われました。
口腔外科での診察を終えて、血液内科へ。
看護師さんとの問診や、口腔外科での診察の間に、本日の血液検査の結果は既に出ていましたので、比較的スムーズに診察室へ呼ばれます。
診察室へ入ると、本日の血液検査の結果について、主担当医から説明があったのですが、何と
「好中球数が非常に少なく、抗がん剤投与は危険」
との事・・・これにより、本日の抗がん剤治療は中止です。
尚、口腔外科の担当医と主担当医で話し合った結果、従来の抗生物質(レボフロキサシン)に加え、新たな抗生物質(オーグメンチン)を処方され、2週間、様子を見る事になりました。
うーん、抗がん剤治療の日は仕事を休んで来てるんで、中止になるのは痛いですね。
今後の予定も組み直す必要がありますし・・・でもまぁ、仕方ありません。
さて、予定外に時間が空いてしまいましたので、突然ですが、久し振りにゲームでもやってみますか。
実は、注文していた「プロジェクトカーズ2」というゲームソフトが、前日に自宅に届いています。
僕は決して熱心なゲーマーでは無いんですが
・グランツーリスモ(レーシングカーの操縦ゲーム)
・エースコンバット(戦闘機の操縦ゲーム)
という2つのシリーズは、割と好きで、良くやっていました。
が、仕事が忙しく、プレイステーション3の購入を見送った事などもあり、ここ数年は全くと言って良いほどゲームをしていません。
少し前、訳あってプレイステーション4を購入していたんですが、特にやりたいゲームがあるという訳でもありませんでした。
が、先日、前述の「プロジェクトカーズ2」が目に留まり、初めて購入してみる事に。
このソフトは「レーシングゲーム」というより「ドライビングシミュレーター」に近い物、つまり、挙動が普通のゲームに比べて実車に近い、シビアな物のようです。
これは中々、楽しみですね。
また、今年は間もなく「グランツーリスモ」シリーズの最新版も出ますので、思い切ってハンドルコントローラーと、それを設置するスタンドまで買ってしまいました。
少し大掛かりにはなってしまうんですが、やっぱり、レーシングゲーム系には必須の周辺機器ですからね。
自宅に戻り、まずはハンコンスタンドを開梱してみますが、まぁ予想通りと言いますか、組み付け精度は、あまり良くありません。
また、ろくな組立説明書もついてなかったので、慎重に各種調整を加えながら、90分ほどかけてハンコンと共に組み上げました。
組み上げ後
妻「・・・なにコレ・・・」
娘「やったー!お車さんだー!!運転するー!!!」
それでは早速、ハンコンをPS4に接続し、ゲームソフトを入れ、ゲームスタート!!
・・・・・アップデートファイルのインストール所要時間「4時間」???
あの、一応、このゲーム、昨日の発売日に届いたばっかりなんですが・・・。
最近のゲームって、こんな感じなんですか?
って事で、ゲームの感想は、また後日。
典型的に体調が悪い日(あるいは「臭い」について)
2017年9月14日(木)曇り。
この日の朝は、かなり起きるのに苦労しました。
睡眠障害もさることながら、抗がん剤の影響で、体中が痛いです。
この痛みは独特で、どう言い表せば良いか、いつも考えているのですが、なかなか良い表現が見当たりません。
とりあえず、身体が軋むような感じで、普通の筋肉痛とはちょっと違うんですが、体のどこを触っても痛みがあります。
また、可動部を大きく動かしたり、速く動かそうとすると「力が抜けるような(?)」何とも言い難い感覚があります。
これは、一般的な用語で言う「痛み」とは違うのかも知れませんが、僕の感覚の中では、間違いなく「痛み」に分類される感覚です。
何とか布団から這い出て、体温を測ってみますが、とりあえず熱は無いようです。
今日に関しては、仕事の予定をキャンセルする事は難しい為、気合を入れてオフィスへ向かいました。
職場では、何とか業務をこなしますが、夕方くらいから「目がチカチカする現象」も出て来ました。
これも、僕にとっては馴染みの副作用の一つなのですが、この症状が出ると、PCのモニターを見る事が出来なくなってしまい、全く仕事になりません。
正確な表現が難しいのですが、視界全体に対して白い光が高速で点滅する感じになり、物が非常に見え辛くなります。
最初に、この現象が出た時は
「このまま抗がん剤治療を続けてたら失明するんじゃないか」
と思ったほどです。
ただ、AVBD療法での視覚障害は報告されておらず、何故この現象が僕に起こっているのかは分かりません。
恐らく神経障害の一種だとは思うんですが・・・。
とりあえず、この現象が出た場合は、30分〜1時間ほど、目をつぶって耐えるしかありません。
それにしても、いつもの事ですが、抗がん剤治療後、5〜6日目が一番辛いですね。
何とか仕事を終え、帰宅すると、妻から
「ちょっと大丈夫?顔色が悪いよ」
と言われます。
「いや、今日は身体中が痛くて・・・あと、例の目がチカチカするやつも出たよ」
と伝えると
「とにかく早くご飯食べて、すぐにマッサージしよ」
と言って、素早くご飯を用意してくれて、歯磨き後、ものすごく丁寧にマッサージをしてくれました。
実際には、いわゆる「マッサージ」だと痛くて耐えられないので、軽くさすってもらう程度なんですが、それでも場所によっては涙が出るほど痛いです。
近年、がん治療の中でも、特に抗がん剤治療は「目覚ましい進化を遂げている」と言われています。
確かに、次々と新しい薬も開発されていますし、既存の薬に対しても、吐き気を中心とした副作用を抑える薬剤や、その使用方法が発達して来ており、それに伴って、治療成績も向上しているようです。
実際、僕も吐き気に関しては、感じる事は皆無と言って良く、体力の維持という観点では非常に助かっています。
が「副作用を抑えられている」のは、決して「抗がん剤の身体に対するダメージが軽減されている」という訳ではありません。
それを強く感じるのは「臭い」ですね。
抗がん剤の副作用と言うと「吐き気」とか「脱毛」が代表的だと思います。
「便秘」もしくは「下痢」とか、今回のような「体の痛み」というのも割と多く聞かれますね。
でも、実は僕としては、地味に辛いのは「臭い」です。
少なくとも僕の場合、抗がん剤を始めてから、体から出る臭いが変わりました。
特に排便時やオナラの臭いが独特な物に変わります。
(※食事中の方がいらしたら申し訳ありません)
あの匂いは、何と言うか、鮮度の落ちた臓物の臭いに近いものです。
抗がん剤の場合、がん細胞だろうが健常な細胞だろうが、とにかく無差別に死滅させてしまいます。
その結果、身体の各所が大きなダメージを受ける訳ですから、排泄物から大量に死んだ細胞の臭いが強く出る事は想像に難くありません。
こういう言い方は不謹慎に取られるかも知れませんが、父や母が亡くなった際に亡骸から感じた物とも違う独特な臭いで、これが鼻の奥にこびりついて取れないんです。
個人的には、割と辛いですね。
がんの有無を、犬に臭いで判断させる実験なんかも進んでるようですが、犬は恐らく、僕が感じている、この臭いに類する物を嗅ぎ分けているんじゃないかと。
で、判別率がどうしても100%にならないのは、この臭いは、がん患者のみならず、通常よりも急激に細胞が死滅している人間、つまり、何らかの病や死期が迫っている人間に共通の臭いだからなんじゃないかなと思います。
全く根拠はありませんが。
妻に念入りに身体をさすってもらい、大分、楽になりました。
子育てやら家事やらに追われて疲れてるだろうに、本当にありがとう・・・
妻には感謝しかありません。
「母親」である事の難しさ(と己の無能さについて)
2017年9月11日(月)晴れ。
この日、仕事中に妻から電話がかかって来ました。
何となく予想はしていたのですが・・・出てみると、やはり、と言うか・・・電話口の向こうで、妻も娘も大泣きしています。
今日は妻が幼稚園のPTA活動に行く日だったのですが、最近、PTAに行くと、妻は非常に不安定になります。
これについては、妻の育った環境の影響は無視出来ないでしょうね。
妻と父親との関係が悪かった事は、以前の記事「入園式」でも触れた通りです。
加えて、実は母親との関係においても
「自分は母親から充分に愛情を注いで貰えなかった」
という風に感じているようで、妻としては、非常に寂しい思いをしたようです。
通常、そういう問題は、当事者である娘(妻)と母親が時間をかけて向き合わなければ、根本的には解決されません。
が、上記の記事でも書いている通り、妻のお母さんは既に亡くなられています。
妻としては、勿論
「娘には、自分みたいな思いをして欲しくない」
と思っているのですが
「愛情を注がれた経験の無い自分が、ちゃんと娘に愛情を注ぐ事が出来るだろうか?」
という不安を常に抱えているのだと言います。
また、妻は、僕の性格やら、僕が時折話す両親とのエピソードを通じ、僕の両親の子育ての仕方を参考にしたいようで、よく
「ととのお母さんに色々な話を聞きたかったな」
と言っています。
が、あいにく、僕の両親は既に他界しており、それも叶いません。
少し話は飛びますが、娘は幼児教室に通っていて、かなり年配の女性の先生に成長を見てもらっています。
その教室は、いわゆる「お受験対策」などは全く行わなず、とにかく「子供をのびのびと育てる」事を信条とした教室です。
その教室へ通い始めた理由の半分は、妻が子育てに関し、その先生に色々と相談を出来る事でした。
が、詳しくは述べませんが、ある日(の先生の発言)を境に、その先生への相談も控えるようになっています。
また、子供のいる友人も居なくはないのですが、ほとんどの友人の家庭は、あまり褒められた状態だとは言えません。
唯一、一人だけ、まともに相談出来そうな友人が居るのですが、その友人は非常に多忙な事もあって、妻は相談の電話を掛けるのを遠慮しているようです。
つまり、妻にとっては、子育てに関し、信頼出来る女性の相談相手が居ないのです。
そういう状況の中、PTAに行くと、子供を休園させている事もあり、色々と(本人の受け止め方としては)否定的な扱いを受けるようで、そうなると、一気に不安が爆発してしまうようです。
妻は、そういう心理状態に陥ると
・激しく落ち込む
・最近少し反抗的になって来た娘と本気でケンカしてしまう
・激しく叱ったりしてしまう(でも決して手は上げないようにしている)
という何れかの行動を取ってしまう事が多いようで、結果的に、激しく落ち込んでしまう事に。
心療内科のような所に行ってみようかとも真剣に考えたらしいのですが、その手の所を妻は(私もですが)全く信用しておらず、止めたとの事。
自治体等でも子育ての悩みに関する相談は受け付けているのですが、いつ電話しても繋がらないそうで、現在のところ、基本的に手詰まりの状態です。
こういう問題に対し、心理学的な(通り一遍の)解答が無い訳ではありませんが、妻が必要としているのは、そういう事ではないのです。
勿論、僕としても何とかしたいのはやまやまなんですが、僕に出来る事と言えば、とにかく妻の話を聞いて、なだめる事くらいしかありません。
尚、この日は、妻の中でも過去最大級に危険な状態だと感じたらしく、僕との電話を終えた後、前述した「唯一相談出来そうな友人」に電話をかけてみたのだそうです。
その結果、妻は非常に救われたらしく、且つ
「遠慮なんてしないで、ガンガン電話して来て」
との有難い言葉を頂いたのだとか。
「持つべきものは友」だとは言いますが、これには僕としても、本当に感謝しかありません。
「いや、そんなの、悩みの内に入んないよ。子育てしてたら当たり前の事でしょ」
言い方は色々あると思いますが、そういう内容の事を言われるのは分かってます。
僕自身(そして勿論、妻)も、頭では分かっているつもりだったんですが、いざ我が家(妻自身)の話となると、何と言うか、やはり「重さが違う」んですよね・・・。
改めて「知識とは、それだけでは何の役にも立たない」のだと思いました。
ブログのタイトルにもある通り「無知」である僕は、知識を活かす事の出来ないポンコツなのだと思い知らされます。
本当に情けないですね・・・。