小田原へ
2017年5月21日(日)晴れ。
気温30度を超え、夏を想わせる陽気の中、小田原へ向かいます。
この一週間ほど、娘が「小田原のお家に行きたい」と繰り返す為、傷の療養も兼ねて、急遽、一泊二日の小旅行です。
「小田原のお家」とは、娘が非常に気に入っている小田原の某ホテルの事。
尚、部屋のタイプに指定があり、そのタイプの部屋でないと、娘には納得して頂けません。
確かに、その部屋は本当に気持ちが良く、娘だけではなく、僕も妻も、大のお気に入りの部屋です。
ちょっと話は変わりますが、実は前週の土曜日、一家で富士スピードウェイに行っていました。
僕は、ある「趣味車」に乗っているのですが、いつもお世話になっているディーラーの担当の方(Kさん)がレースに出場するというので、応援に行ったのです。
当日は生憎の雨で、レースは波乱含みの展開。
Kさんはマシントラブルに見舞われ、予選は最下位に終わります。
が、本戦では、果敢な走りで6台を抜き去るという、僕らとしては見応えのあるレースでした。
富士スピードウェイは、そのディーラーの走行会やドライビングレッスン等で、一家で何度か来ています。
娘は、初めて来た時から、何故か、その雰囲気が気に入ったようで、たまに「そろそろサーキット行かないの?(「連れて行け」の意)」と言うほど。
で、我が家では、富士スピードウェイに行く際は「小田原のお家」に泊まる事が慣例となっているのですね。
普通に考えれば、富士スピードウェイに行く際に小田原に泊まるというのは非常に効率が悪いんですが、まぁ、色々と紆余曲折があっての事です。
Kさんの応援に行った日は、泊まらずに帰って来たんですが、娘としては、富士スピードウェイと小田原のお家はセットの筈なので、帰りの車中では「どうして小田原のお家に行かないの?」と100回位、聞かれました。
娘には、非常に執念深い所があり、それ以来、一週間「小田原のお家に行きたい」と繰り返す事により、ついに小田原行きを実現させた訳ですね。
恐るべきタフ・ネゴシエーターっぷりです。
さて、小田原のお家に行く前に、ちょっと寄り道をしてみます。
「娘を海に連れて行ってあげよう」という妻の提案で、目星を付けていた海岸へ向かいます。
基本的にビビリな娘は、一体どんな反応を示すでしょうか。
そこは、ちょっと変わった海岸でした。
完全な砂浜、という訳ではなく、砂利と半々位の砂地です。
恐らく遠浅にはなっておらず、良く調べていませんが、遊泳禁止ではないでしょうか。
非常に意外だったのは、海藻の漂着が全く無い事。
そのおかげか、全く磯臭くありません。
水も非常に綺麗で、これは良い場所を見つけました。
僕は、ある時(25〜6歳の頃)から、突然、海(と言うか海水浴場)が苦手になり、それ以来、基本的に海岸には近寄っていませんでした。
が、ここは良いですね。
他にも色々とナイスな要素があり、非常に気に入りました。
尚、娘は、最初はビビっていたものの、すぐに大はしゃぎし始め、挙句の果てには「そろそろ小田原のお家に行こう」と言っても「まだ帰りたくない」と駄々をこねる始末。
うん、また来ようね。
小田原のお家に着くと、早速、温泉へ。
気休めかも知れませんが、傷に染み入ります。
ここまでの経緯から、僕としても、恐らく悪性リンパ腫なのだろうという事は覚悟しています。
そこで問題となるのが、悪性リンパ腫の「種類」と「病期」。
これにより、治療法や予後が大きく変わる事は勉強済みです。
今度の金曜日には、生検の結果が出る予定です。
どうなるかは分かりませんが、僕としては、現実を受け止め、ベストを尽くす以外にはありません。
そんな事、考えるまでも無い事なんですが、温泉に浸かりながら、空を見上げていると、改めて、自分の決意を確認出来ました。
こういう時間が、きっと必要だったんでしょう。
そういう事を知ってか知らずか、ここに連れて来てくれた娘に感謝です。
さて、最近、我が家では、小田原のお家に泊まる際、夕食は近くの料理屋さんで食べるようにしています。
僕は自他共に認める「魚喰い」です。
妻は元来、特に魚に興味は無かったんですが、僕の影響で、今ではすっかり「魚喰い」化しています。
当然、娘も順調に「魚喰い」としてのキャリアを積んでおり、4歳にして、いつも魚を買っているT水産の方々も舌を巻くほどの目利きになりつつあります。
で、この料理屋さんは、我が家の全員が「魚が美味しい」と認めたお店。
今日は何を頂きましょう。
メニューを見ていると、見慣れない魚の名前が書いてあり「店主のおすすめ」になっています。
魚の名前は「おしつけ」。
おすすめの食べ方は「煮付け」になっていますが、刺身もあるようです。
お店の人に「どんな魚なんですか?」と聞くと「非常に脂が乗った白身で、美味しいですよ」との事。
物は試しと、煮付けと刺身の両方を注文します。
いざ食べてみると、どちらも、美味しいと言えば美味しいです。
でも、これ、何と言うか、普通に「脂が乗っている」感じとは違いますね・・・微妙に違和感のある味です。
後で調べて分かった事ですが、この魚は「アブラボウズ」でした。
アブラボウズの存在は知っていて、いかなる特徴を持った魚かも知ってはいたんですが、実際に食べたのは初めての事でした。
・・・道理で、お腹がゆるくなった訳です。