セカンドオピニオン(国立がん研究センター中央病院の場合)
2017年8月30日(水)曇り。
この日は、セカンドオピニオンを求めて、国立がん研究センター中央病院へ。
ここは「がん研究会有明病院」と並ぶ「がん治療の聖地」とも言える病院ですが、いや、すごい患者の数ですね・・・。
まぁ、恐らく、全国から患者さんが集まって来ているんでしょうから、当然と言えば当然なのかも知れません。
セカンドオピニオンの人もかなり多い様子で、専用の窓口がありますね。
受付で諸々の手続きを済ませた後、S病院で貰った、診断画像が入ったディスクを持って4階の窓口へ。
診察前に、ここで予め画像を取り込んでおくのだそうです。
以前の記事「確定診断までの経緯その⑪」でも書きましたが、病院の診断画像は専用のビューワーでないと開けない形式になっています。
S病院で貰ったディスクも確認してみましたが、やはりJ病院のディスクと同様に、画像を展開するには専用のビューワーが必要でした。
なので、恐らく、ここであらゆる形式のファイルを取り込んで、この病院で閲覧しやすい形に変換するのだと思います。
その後は、指定された場所で待ちます。
しばらくすると名前を呼ばれ、診察室へ。
担当の医師からは、まず
・咳はあるか?
・息苦しさはあるか?
・熱はあるか?
・喫煙歴はあるか?
を聞かれましたので
・咳や息苦しさ、また熱も無い事
・約30年間、1日20本程度の喫煙歴があったが、治療開始と同時に禁煙した事
を伝えます。
医師は「なるほど」と言った後、PCのモニターにPET-CTの画像を表示します。
そして「今のお話を伺った上で」と続け、以下の内容を話してくれました。
・僕の病状から考えて、S病院が当初の治療方針として「ABVD療法2コース+放射線治療20Gy」という選択をしたのは妥当だと思われる事
・左頚部リンパ節の腫脹に対してABVD療法は明確に奏功していると思われる事
・気管支鏡生検の結果等から考えて、PET-CTの画像に見られる肺の集積はホジキンリンパ腫の浸潤とは考えられず、ブレオマイシンによる薬害性の器質化(炎症)が最も疑われる事
・これらを総合すると、PET-CTの画像に見られる右頚部及び縦隔への集積は、肺の炎症に対する反応であると考えるのが妥当だと思われる事
・僕の病状の場合、本来は「ABVD療法4コース+放射線治療30Gy」というのが標準治療であり、今回、放射線治療に踏み切らず、ブレオマイシンを除いた化学療法(AVD療法)が2コース追加された事については、色々な意味で妥当な判断だと思われる事
結論としては
「このまま、S病院で治療を継続されて良いと思います」
と。
ただし
「肺の状態に関しては入念なフォローが必要だと思われますので、その旨を書いて、S病院に手紙を出しておきます」
との事です。
最後に「他に質問はありますか?」と聞かれたので
「仮にAVD療法の結果が思わしくなかった場合、救援療法になると思うんですが、先生であれば、どの方法を採用されますか?」
と聞いてみました。
これについては
「その時の状況にもよりますので、現段階では何とも言えません。確かに幾つかの選択肢が考えられますので、もし、そういう状況になり、S病院の判断に疑問や不安があるようでしたら、再び、こちらにいらして頂いても良いかも知れません」
との事でした。
また
「最初に喫煙歴を聞かれましたが、喫煙歴とブレオマイシンによる炎症には、やはり関連性があるんですか?」
と聞いてみると
「あると思います。患者さん個々の状態にもよりますが、一般的には、喫煙歴の無い方の方がブレオマイシンによる肺の炎症は起きにくいとされています」
と。更に
「なるほど。ところで、今、禁煙している訳ですが、今更、焼け石に水でしょうか?」
と聞いてみましたが
「いえ。ブレオマイシンの影響は長期間に亘りますので、出来れば禁煙は続けて下さい。個人的には、治療開始時から禁煙をされている事で、肺の炎症の重篤化が避けられていると思います」
との事ででした。
まぁ、禁煙も無駄じゃなかったという事ですね。
礼を言って、診察室を出ます。
話は非常に良く分かりましたし、納得も出来ました。
セカンドオピニオンを聞いてみて、良かったと思います。
ただ、43,200円という料金は、決して安くはないですね・・・。
保険適用になれば、もっと気軽にセカンドオピニオンを求められるようになり、患者が納得して医療を受けやすくなるんじゃないかなとは思います。
が、医療費の高騰が叫ばれている昨今、そこに予算を割くのは、なかなか難しいのかも知れませんね。
病院を出て、空を見上げると、来た時と変わらずの曇天です。
ただ、来た時とは違い、気分は晴れ晴れとしていました。