無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

抗がん剤と放射線による脱毛について

2018年5月27日(日)晴れ。

 

今日は散髪をしました。

ここ最近、髪を切って頂いている理容師さんによれば、抗がん剤放射線の影響による脱毛に関しては「恐らく、ほぼ元通りになっている感じですね」との事です。 

 

このブログでは、これまで脱毛に関してはあまり詳しく書いて来ませんでしたが、そろそろ一連の経過についてまとめてみる事にしようと思います。

以下は抗がん剤治療が終了してから約7ヶ月、放射線治療が終了してからは約5ヶ月経過した段階での考察です。 

 

まずは抗がん剤治療による脱毛について。

 

僕の場合、抗がん剤治療を開始して1ヶ月半くらい経った頃から脱毛が始まりました。

治療を開始したのが昨年の6月15日で、8月の頭くらいから抜け始めています。

朝、起きた際に、枕の上に髪の毛が沢山落ちていたり、洗髪の際に手に絡み付くような感じで抜けるようになりました。

 

脱毛の進行の仕方としては、どこか特定の場所が集中して抜けたりした訳ではなく、頭髪全体が均等に薄くなって行った感じです。

眉毛やまつ毛なんかも少しだけ抜けたような気がしますね。

また頭髪の脱毛ペースとしては、毎日ほぼ一定の量が抜ける感じで、脱毛量の増減はあまりなかったように思います。

これらは以前の記事に書いた想定通りでした。

 

bonyoh.hatenablog.com

 

抜けた髪の毛を観察してみると、上手く伝わるかどうかは分かりませんが、両刃の糸鋸みたいな感じでギザギザの段が付いている事が分かりました。

仮説ではありますが、抗がん剤を使用した時に毛が細くなり、その後、太さが若干戻る事で段が付いているのだと思われます。

で、その段の3つ目か4つ目辺りで切れるようにして抜けている毛が多かったですね。

抗がん剤治療は2週間に1度でしたので、3段目か4段目で抜けているというのは、治療開始後1ヶ月半位から脱毛し始めた事とも整合が取れています。

 

段の間隔を測ってみると2mm~3mm刻みの場合が多かったので、もし髪の毛に段が付くメカニズムに関する僕の仮説が正しいのだとすれば、1ヶ月で約4mm~6mmほど伸びているという事になります。

通常、髪の毛は1ヶ月で1cmほど伸びると言われていますので、伸びるスピードが半分程度に落ちたという事なんでしょうか。

事実、抗がん剤治療開始直後の6月24日に散髪し、その後は12月1日まで5ヶ月強の間、全く散髪しませんでしたが、髪はあまり伸びなかった印象です。

 

尚、脱毛が止まったのは、抗がん剤治療が終了して1ヶ月強が経過した頃でした。

僕の場合、治療が変則的で、ABVD療法2クール実施後、約1ヶ月のインターバルがあった後、ブレオマイシンを除外したAVD療法を2クール実施しています。

結果として、抗がん剤治療の期間は6月15日〜10月20日の約4ヶ月間で、脱毛が止まったように感じたのが11月27日という記録がメモとして残っていますね。

 

最終的な頭髪の脱毛具合としては、大体4割~5割ほど抜けた感じで、全部が抜けるような事はありませんでした。

髪の毛が全部抜けなかったのは、使用した抗がん剤の種類や治療回数といった要素が大きいのだとは思いますが、それに加えて、抗がん剤の影響を受けるのは成長期の毛髪のみであるというメカニズムが影響しているのではないかと思われます。

 

通常、8割~9割の頭髪が成長期だとされているのですが、抗がん剤治療を行なうと成長が一時的に止まるとも言われています。

仮に、成長期の頭髪のうち半分程度の成長が止まったのだとすれば、脱毛が4割〜5割程度だった事と整合が取れますね。

まぁ単純に、半分程度の頭髪が抗がん剤に耐え抜いたという事なのかも知れませんが。

 

ちなみに、10月11日から3月3日までの約5ヶ月間、僕はニット帽を被っていました。

ニット帽を被るようになったのは、決して脱毛だけが理由ではなく、頭皮が炎症を起こしてフケが出るようになった事が大きな要因ではありました。

が、概ね、抗がん剤治療を開始して4ヶ月ほどすると、気になる程度に脱毛したと考えて良いと思います。

 

また、抗がん剤治療が終了したのが10月20日で、ニット帽を脱いだのが翌年の3月3日だったと言う事は、抗がん剤治療終了後4ヶ月半ほどで気にならなくなる程度にまで頭髪は再生するという事になりますね。

まぁ、あくまでも僕のように頭髪のクセが強く、かつ短髪の場合ではありますが。

直毛だったり髪が長かったりすると、回復にはもう少し時間がかかるかも知れません。

 

次に、放射線治療による脱毛の仕方についてなのですが、これは抗がん剤の場合とは全く異なります。

まず、放射線の照射範囲内に生えている毛髪は、1日〜2日の間で一気に(ほぼ)全て抜けてしまいます。 

脱毛時期に関して言えば、僕の場合、放射線治療は1回2Gyの照射を15回、合計30Gyの照射だったんですが、13回、つまり26Gyを照射した後に脱毛しました。 

 

bonyoh.hatenablog.com

 

毛髪の再生が始まるのは、治療が終わってから2ヶ月後くらいからです。

僕の場合、左側の襟足と髭が抜けたわけですが、治療終了後5ヶ月ほど経過した現在、そもそも短く刈り込んでいた襟足は違和感無く生え揃った感じです。

髭に関しても、ほぼ元通りの状態となりました。

 

放射線による脱毛は「大体、半年程度で元に戻ると思いますよ」と担当医から言われていましたが、実際その言葉通りの結果となったようです。

 

以上となります。

 

本当なら、こういう記事には写真を付けた方が分かりやすいのだと思います。

が、脱毛の経過についての写真は特に撮ってはおらず、掲載する事が出来ません。

 

実は僕は、仕事で写真を撮る事が頻繁にあるせいなのか、私生活に関する写真を(ほぼ)撮る事はありません。

私生活に関する写真は妻が沢山撮ってくれていますので、普段は彼女にお任せしているのですが、こと本件に関して言えば「写真を撮っておいた方がよかったかな」と少し後悔しています。

 

もし、抗がん剤治療や放射線治療による脱毛に関する情報を調べられている中で本ブログに辿り着かれた方がいらっしゃったとしたら、大変申し訳ありません。