無知の知菴 〜悪性リンパ腫罹患者の日常〜

結節硬化型古典的ホジキンリンパ腫と診断され、経験した事、学んだ事、思う事。

確定診断までの経緯その⑭ 生検前検査でS病院へ

2017年5月1日(月)曇り。

気温が高く、やや蒸し暑いです。

 

今日は生検の前に必要な各種検査を受ける為に、S病院へ向かいます。

 

一応、耳鼻咽喉科の診察室へ行きますが、特に何か診療がある訳でもなく、検査の指示を受けただけです。

 

まず、採血・採尿室へ向かい、採尿と採血を行ないます。

 

採血では、いつもと違う点が一つありました。

「出血時間測定」という、検査みたいなものがあった事です。

これは、どうやら一次止血までの時間を計る検査のようです。

 

血が止まる仕組には、大きく分けて一次止血と二次止血いう、二つの仕組があります。

 

血管壁が破れ、出血した場合、まずは血小板が、破れた血管壁の所に集まって来て固まり、とりあえず出血を止めます。

これが一次止血。

 

ただ、これだけでは構造体として脆く、血管壁の穴を塞いでいる栓(一次止血栓)は剥がれやすい為、凝固因子というものが活性化し、フィブリンという繊維状のタンパク質を形成。

このフィブリンが一次止血栓を補強する事で二次止血栓が完成し、止血が完了します。

これが二次止血ですね。

 

僕が受けた「出血時間測定」では、まず「ランセット」と呼ばれる、針の付いた小さな器具で皮膚に「パチン!」と小さな穴を開け、出血させます。

で、この血を30秒毎に濾紙で吸い取りながら、濾紙に血が付かなくなるまでの時間を測定します(出血時間は濾紙に血が付いた最後の時間)。

 

血液検査の項目の中にも「プロトロンビン時間」と「活性化部部分トロンボプラスチン時間測定」という、血液凝固に関する検査が含まれています。

 

また、梅毒、HIV、肝炎などの感染についても検査されており、生検とは言え「さすが手術の前だなぁ」という感じですね。

 

採血を終えると心電図検査です。

実を言うと、僕は子供の頃(多分、中学生くらい)から、不整脈がある事を自覚しています。

健康診断でも、毎年のように「再検査」とか「要注意」とかになりますね。

 

いつも心拍が不安定とか、そういう事ではありませんし、気が付けば、全く不整脈が出ていない時もあります(むしろ、そういう時が大半)。

当然、特に生活に支障がある訳でもありません。

僕としては、子供の頃から寄り添って来た現象ですし、何と言うか、ごく自然に、僕の人生の中に含まれている事です。

 

が、今回に関しては、不整脈によって「生検出来ません」とか言われるのは嫌だなと思ってます。

既に、ある程度の覚悟もありますし、どうなるにせよ、とにかく、手順を早く進めたいですからね。

 

心電図検査を終え、最後は胸部X線撮影。

こちらも無事に終了です。 

 

検査を終えると、今度は入院の手続きの為「入院受付」という窓口へ。

 

今回の生検は、一泊二日の入院で行ないます。

「入院受付」では、入院に関する様々な説明を受け、各種手続きを行ないます。

 

んで、驚いたのが「室料差額(差額ベッド代)」ですよ。

そもそも「えっ!?」と思う程の金額ですし、加えて、ホテルなんかとは異なり、一泊二日の入院で二日分の請求になるとの事。

 

病室の種類は幾つかあり、料金も様々。

しかし、この金額って・・・ホテルとかで考えれば、割と良い部屋に相当する筈です。

が、病室ですからね・・・想像するに、恐らく簡素な部屋なんでしょうね、きっと。

 

こんな事を考えながら、僕が少し固まっていると、担当の方から

 

「一応、差額ベッド代が発生しない部屋もあるんですが、希望されますか?」

 

と聞かれます。

 

「このタイプの部屋も空いてる、という事ですか?」

 

と尋ねると

 

「正直、当日になってみませんと、空くかどうかは分かりません。

また、このタイプの部屋は、基本的には長期入院の方に対して優先的にご案内差し上げている部屋になります。

従いまして、第一希望として承る事自体は可能ですが、ご希望に添う事は難しいかも知れません」

 

との事。

うん、まぁ、希望したところで無理なんでしょう。

分かります。

 

差額ベッドの問題についても、色々と論考してみたい気持ちはあるんですが・・・どこかで、機会があれば。

 

全ての手続を終え、職場へ。

世間はゴールデンウィークですが、僕には関係ありません。

加えて、今夜も徹夜作業の予定です。

 

僕自身は別に構わないんですが、世間的に見れば、こういうのって、あまり褒められた状況じゃないんでしょうね、きっと。