あご出汁のお雑煮
2018年1月1日(月)晴れ。
2018年、最初の一日がやって来ました。
さて、今年は一体、どんな年になるんでしょうか。
風邪の調子は相変わらずで、寝込むほどではありませんが、元気という訳でもない状態ですね。
昨夜、寝るのが遅かった為、今日は家族全員、遅目に起きました。
さて、とりあえず、お雑煮を作りましょう。
我が家は例年、おせち料理は作りません。
買って来たりする事もありません。
何故かと言うと、僕も妻も、おせち料理が好きではないからです。
勿論、おせち料理の「意義」は理解しているつもりですし、娘に対する教育的観点に立てば食べるべきなのかも知れませんが、やはり好きではないものを作ったり食べたりする気にはなりません。
加えて「恐らく娘も、おせち料理が好きじゃないんじゃないか?」と思っていたりするんですが、これは完全な決め付けです。
とは言え、実は結婚する前は「数の子」だけは作っていました。
数の子の調理法には実家の秘伝のレシピがあり、そのレシピで調理した数の子は、おせち料理の中では、僕が子供の頃から唯一、例外的に好きだった一品です。
しかしながら近年は、妻が魚卵をあまり好まない事もあり、作らなくなってしまいましたね・・・ただ「数の子」は、近年中に復活させる事を目論んでいます。
復活した暁には、レシピを公開させて頂きますので、乞うご期待(そんなマイナーなレシピなんか誰も期待してないか)。
で、おせち料理ではないんですが、お正月に必ず作る料理が「お雑煮」です。
僕は福岡出身なので、子供の頃から「あご出汁」のお雑煮に親しんで来たんですが、妻にはこれが衝撃的だったらしく、お雑煮だけは必ず僕が毎年(時には年に数回)作っています。
それにしても「あご出汁」は、ここ数年で突然メジャーになりましたね・・・一体、何が原因なんでしょうか。
有名店のラーメンに使われたからか「博多うどん」が知られるようになって来たからか・・・はっきりとした理由は分かりませんが、降って湧いたようなブームのせいで、出汁用の「焼きあご」の産地は大変なようです。
「あご出汁」の素晴らしさが広く知られるようになって来たのは喜ばしい事なのかも知れませんが、この手のムーブメントに良く見られる「行き過ぎ」という状態にだけは、なって欲しくありませんね・・・。
さて、福岡のお雑煮の代表的な具材としては、焼いた丸もち、ぶり(もしくは鶏肉)、かつお菜、大根、人参、戻した干し椎茸といったところでしょうか。
ちょっと珍しいところでは、スルメを入れるレシピもあるようですね。
「かつお菜」というのは福岡特産の青菜で「鰹のような味がする」とか「鰹節が不要なほどの旨味がある」事から、その名がついたらしいのですが、個人的には、そんな味がするとは思いません。
非常にマイナーな野菜で、東京では入手が難しいので、小松菜で代用するのが実際的なところだと思います。
【あご出汁つゆの作り方】
1.鍋に以下の材料を合わせ、一晩置く。
・水:2ℓ
・酒:大さじ3
・昆布:5cm角4枚程度
・焼きあご:1袋(大型の物が8~9尾)
2.鍋を火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
3.沸騰しないように火加減を調整しながら焼きあごを10分ほど煮出して取り出す。
4.火を強めて沸騰したら、かつお節(薄削り・40g)を入れる。
5.すぐに火を止め、5分程度置き、キッチンペーパーで漉す。
6.5を沸騰しないように火にかけながら、白だし、塩、醤油、みりん等を加えて完成。
淡麗なつゆですので、使う調味料の銘柄によってもかなり味が変わってしまいます。
したがって、調味料の分量は「お好み」としか言えません。
僕の場合、いつも使っている白だしがメインで、他を少々という感じが好きですね。
【お雑煮の作り方】
1.干し椎茸を冷水に漬け、冷蔵庫で一晩戻す(あご出汁と一緒に仕込んでおく)。
2.ぶりの切り身に塩と酒を振り、10分程度置いた後、キッチンペーパーで水気を取る。
※鶏肉を使う場合は一口大に切るだけで特に下処理は不要です。
3.小松菜を塩茹でした後、水気を切り、3〜4cmの長さに切る。
4.あご出汁つゆを適量、別の鍋に取り、アクを取りながら以下の材料を中火で煮る。
・1で戻した干し椎茸
・2のぶり(もしくは鶏肉)
・大根(3mm程度の輪切り)
・人参(2mm程度の輪切り・梅の花などの飾り切りをすると尚良い)
5.もちを焼く
6.上記の具を器に盛り、あご出汁つゆ(具材を煮ていない方)を注いで完成。
具材を煮た方の煮汁はコクがあり、かなり美味しいので、別の具材を煮たり、うどんや雑炊のベースとして再利用するのもオススメです。
妻はこのお雑煮が大好きで、これだけは決して自分で作ろうとしません。
妻曰く「分量や作り方を真似ても絶対に出せない味」なんだそうですが、それは単に慣れの問題でしょうね。
ただまぁ、前述した調味料の件も含め、色々な要素の微妙なさじ加減で味が変わる料理である事も事実ではあると思います。
もし作られる方がいらっしゃったら「ご自身の味」を見つけてみて下さい。
妻も娘も、あっという間に最初の一杯を完食した後、予備の汁や具が無くなるまでおかわりをしてくれました。
いや、ここまで見事に平らげて頂くと、作った甲斐がありますね。