放射線治療10回目(と「ヒルドイド」の美容目的利用について)
2017年12月12日(火)晴れ。
今日は午前10時から皮膚科、11時から放射線腫瘍科の予定です。
総合受付で受診票を受け取り、まずは皮膚科へ向かいました。
皮膚科で受付を済ませ、待合で待ちますが、いつまで経っても名前を呼ばれません。
次の予定もありますので、10時45分頃、受付の方に「あと何人ですか?」と聞いてみると、あと3人だとの事。
「11時から放射線腫瘍科で治療があるんですが、どうすれば良いですか?」
と聞くと「確認しますので、少々お待ち下さい」と言われて待たされた挙げ句「先に放射線腫瘍科に行って下さい」と言われます。
あのですね、前回、皮膚科を受診した際に今日の予約を入れた訳ですが、その時には既に今日の11時に放射線腫瘍科の予定が入っている事は分かっていた筈です。
「じゃあ何の為に10時に呼びつけたんですか?」と言う言葉が喉元まで出かかりましたが、受付の方に罪があるという訳ではありませんので、何とか我慢して放射線腫瘍科へ向かいました。
今日の技師の方は男性2人と女性1人です。
こちらは時間通りに進みますし、全てがスムーズですし、以前の記事にも同様の事を書きましたが、本当に他の診療科の方々には見習って欲しいものです。
放射線照射終了後、再び皮膚科へ向かいます。
そこでも更に30分ほど待たされた後、ようやく名前を呼ばれて診察室へ。
前回受診した時に比べると少しはマシになっていますが、湿疹等の状態は相変わらずといったところです。
今回はヒルドイドの軟膏とローションに加え、抗生物質(ロキシスロマイシン)を一週間分処方されました。
担当医に
「ヒルドイドがすぐに無くなってしまうので、少し多目に出して欲しいんですが」
と伝えますが
「うーん、ヒルドイドは例の問題があって、今、多く出すのは無理なんですよねぇ」
と言われます。
???
「例の問題」とは何ですかね?
妻に聞いたり、自分でも調べてみたところ、とんでもない事が分かりました。
どうやら、一部の女性誌でヒルドイドの「美容効果」が紹介された事が美容系のサイトやSNS等で拡散され、病気でも何でもない連中がヒルドイド欲しさに皮膚科に押し寄せたのだとか。
ネット上では「何も疾病が無くても、こう言えばヒルドイドを処方して貰えますよ」という(何と信じられない事に医師による)指南まで紹介されているというのですから、本当にあきれた話です。
美容目的でのヒルドイドの処方に年間100億円近くの公費が使われているという試算もあるようで、この事態を重く見た厚生労働省がヒルドイドの処方量制限や保険適用除外まで検討し始めたとの事。
このような事態が本当なのであれば大問題です。
僕程度の肌トラブルならまだしも、本当に重篤な疾病を抱えていらっしゃる方々に対して必要な医薬品の処方量が制限されるなど、あってはならない事です。
勿論、健康保険の財政的な問題がある事は言うまでもありません。
健常者であるにもかかわらず、そんなにヒルドイドが使いたいのであれば、ヒルドイドの薬効成分である「ヘパリン類似物質」の含有量がヒルドイドと同じで、総費用も大して変わらない製品(例えばグラクソ・スミスクラインの「HPクリーム」など)がある訳ですから、それを買えば良いだけの事なのです。
そんな事、ちょっと調べれば、すぐに分かる筈なんですが・・・それだけ「自分さえ良ければ良い」とか「困っている人に対して関心が無い」連中が増えていると言う事なんでしょうか。
僕が言うのもなんですが「自分では何も考えたり工夫したり出来ない」ような連中も増えているのかも知れませんね。
【注】
この記事をブログに掲載する時点(2018年2月13日)では、がん患者の団体などが「抗がん剤治療の副作用の緩和に必要」などと厚生労働省に対して働きかけた事もあり、ヒルドイドの処方量の制限については見送られています。
が、だからと言って、ヒルドイドを美容目的で使おうとするふざけた連中が許される訳では無い事は言うまでもありません。